耳鼻と臨床
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原田病における聴力障害について
金沢 勲佐藤 信清土田 伸子大野 重昭
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1991 年 37 巻 1 号 p. 20-26

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抄録
過去12年間に当科を受診した, 聴力障害を有する原田病患者34名63耳について検討し, 以下のような結論を得た.
1. 本疾患による聴力障害は, 比較的軽度な両側性内耳性難聴が多く, 無自覚性難聴症例が多い. しかし, その様な症例でも聴力改善が認められる.
2. 突発性難聴に比し, ゆつくりと聴力の改善するものが多く, ステロイドに対する反応性も非常に高い.
3. 視力と聴力の予後には, 明かな相関関係が存在する.
4. 難聴の出現頻度に比し, めまいを訴えるものは少なかつた.
5. 症状の有無に関わらず, 耳科学的な検査は必要であり, 治療の面でも有力な情報が得られると思われる.
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