耳鼻と臨床
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頭頸部癌進展例に対する多剤併用化学療法の検討
全国がん (成人病) センター頭頸部癌化学療法研究会・第3次研究報告
井上 哲生内田 正興松浦 鎮佐竹 文介西尾 正道富樫 孝一夜久 有滋竹生田 勝次小野 勇海老原 敏谷川 譲武宮 三三佃 守河辺 義孝松浦 秀博佐藤 武男吉野 邦俊溝尻 源太郎中田 将風小池 聰之中島 格仁井谷 久暢
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キーワード: 頭頸部癌, 化学療法
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1993 年 39 巻 6 号 p. 1026-1033

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抄録

全国のがん専門施設16施設の共同研究として頭頸部癌98例に対しCDDP+PEP+ MTX (PPM法), CDDP+PEP+5FU (PPF法) の無作為比較試験を行い以下の結果を得た.
1. PPM法は44例中, CR3例, PR18例で奏効率48%, PPF法は54例中, CR2 例, PR25例で, 奏効率は50%であつた.
2. 病期別治療効果では, III期においてPPM法で90%, PPF法で63%の奏効率が得られPPM法で高い効果が認められた.
3. 初回再発別治療効果は, 初回治療例でPPM法54%, PPF法56%と高い奏効率を示したが, 再発治療例においては, それぞれ40%, 33%と低下した.
4. 副作用は, PPM法で白血球数が2000未満となつた症例が30%に認められたが, その他, 重篤な副作用は認められなかつた.

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