抄録
スギ花粉症患者を対象に, スギ・ヒノキ特異IgE抗体を測定した. 1995年の3月から4月に飛散した春期樹木花粉は, 12, 340個/cm2を記録し, スギ・ヒノキ花粉比は約1 対1.80で, スギ花粉症患者の80.0%に, ヒノキ特異IgE抗体 (CAP-RAST) が陽性であった. 鳥取県のスギ森林面積は, 1986年71, 146haであったが1996年には60, 587ha に減少し, ヒノキの植林が進んでいる. 現在鳥取県のスギ・ヒノキ森林面積比は, 2.12 対1であるが, 樹齢15年以下の森林面積になると1対1.72と逆転することより, 今後鳥取県において, ヒノキ花粉のアレルゲンとしての重要性が増すと考えられる.