耳鼻と臨床
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前頭洞・筋骨洞・蝶形骨洞嚢胞性疾患の検討
竹内 裕一生駒 尚秋竹内 裕美
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1997 年 43 巻 5Supplement3 号 p. 754-759

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抄録
1981年8月から1995年7月までの, 鳥取大学耳鼻咽喉科学教室における前頭洞・鯖骨洞・蝶形骨洞嚢胞性疾患の102例について, 臨床的検討を行つた. 102例のうち, 77 例は術後性嚢胞, 23例は原発性嚢胞, 2例は外傷性嚢胞に分類された. 術後性嚢胞は原発性嚢胞と比べて発症年齢が低かった. 初診科は眼科と耳鼻科を受診することが多かった. 臨床症状は, 前頭洞嚢胞や前頭洞~鯖骨洞嚢胞では前額部腫脹と眼瞼浮腫が多く, 飾骨洞嚢胞や飾骨洞~蝶形骨洞嚢胞では眼球突出と視力障害が多く, 蝶形骨洞嚢胞では頭痛・嘔気・視力障害が認められた. 術後性嚢胞では20歳までに初回手術を受けていることが多く, 術後16~30年で嚢胞が発生する症例が多かった. 眼症状の術後改善は, 病悩期間が1カ月以内の症例で良好であった
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