2006 年 52 巻 3Supplement2 号 p. S112-S117
薬物無効症例の耳鳴の治療に他の薬剤や処置を使わず、カウンセリングのみで可能かどうか心療内科的手法で試みた。有効であった代表の1症例を報告する。現在インフォームド・コンセントでも重要であるとされる傾聴、共感と保証の原則にのっとり約30分のカウンセリングを行った。評価は、標準耳鳴検査法1993の自覚的評価法でしか行い得なかった。また、耳鳴症に対し補聴器を用いたTRT (tinnitus retraining therapy) の変法が著功した例とカウンセリングに至らなかった例を報告する。