2006 年 52 巻 3Supplement2 号 p. S118-S126
われわれは顔面にマーカーを貼り付け、その動きを解析する方法を用いて他覚的に評価する方法を考案し、顔面表情運動を定量的に評価している。その方法を用いて顔面神経麻痺改善過程における (a) 積分筋電図とマーカー法、さらに40点法とを比較検討し、さらに (b) マーカー法を用いた表情運動を3次元的に検討する、の2点について評価してみた。結果、マーカー法の移動距離の変化はスコア法と同様、まさに検者が目で見たとおりの改善過程を示し、また積分筋電図がマーカー法における移動速度と同様、表情筋の機能的回復を直接反映するものと考える。3次元的に検討した結果、眼輪部に関しては2次元的評価で十分だが、口輪部の評価には3次元的検討が必要であることが分かった。