耳鼻と臨床
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舌癌T1、T2症例の治療成績の変遷
寺尾 恭一杉原 功一森 一功村田 清高
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2006 年 52 巻 3Supplement2 号 p. S127-S132

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抄録

T1、T2舌癌に対して、確個たる治療のストラテジーを持ち合わせていなかった2000年までの方針と、2001年以降の手術主体での方針との治療成績を比較した。治療成績には、有意な差を認めなかったが、術後合併症の減少、平均在院日数の短縮などメリットも多くみられた。今後も手術主体の方針を考えているが、さらなる治療成績向上や QOL向上のためには、以下のことが今後の問題点として挙げられた。(1) advanced T2症例は、切除、再建も考慮に入れる、 (2) T1症例の予防的頸部郭清はwatch and seeでもいいのではないか、 (3) clinical N+症例や手術時N+が判明した症例は、患側の全頸部郭清を施行、 (4) 深部浸潤が強く正中部近くまで腫瘍が進展している症例は、clinical N0といえども健側郭清を考慮、 (5) 術後放射線治療の適応をもう少し絞れないか、 (6) 小線源治療の適応症例の選択。

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