耳鼻と臨床
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当科における喉頭全摘出術後患者のQOLの現状
-近声会会員のアンケ-ト調査から-
楠 威志寺尾 恭一村田 清高
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2006 年 52 巻 3Supplement2 号 p. S140-S145

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抄録

喉頭全摘出術を受けた退院患者のQOLを検討するため、近声会33人を対象にアンケート調査を行った。喉頭全摘出術を受けたことに対しての思いは、回答者29人中27人が満足していた。現在の健康状態については回答者31人中3人が重複癌であった。喉摘後に胃癌 (2人)、肺癌 (1人) を認めた。無喉頭・気管呼吸者の主な愁訴は鼻機能障害によるものであった。代用発声として食道発声が最も多く利用されていた。しかし、喉頭全摘時年齢70歳以上の者は食道発声を習得できなかった。食道発声の上達者のほとんどは訓練し始めて1-6カ月の間に発声が可能となっていた。食道発声の利点については、大多数が食道発声により自分自身に自信がもて外向的、積極的になったと答えている。さらに食道発声の上達により鼻機能回復を認めた。

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