2006 年 52 巻 3Supplement2 号 p. S146-S153
1990年4月から2002年3月までの12年間に近畿大学医学部耳鼻咽喉科学教室にて治療を行った耳下腺腫瘍157例に対して統計的観察を行った。耳下腺腫瘍を1991年のWHO分類に従って病理組織学的に分類し、発症年齢、性別、年次推移などに対して検討を行った。当施設における過去の統計との比較を行った結果、Warthin tumorの症例数が増加していることが確認された。これは、主に高齢者に対する手術適応の拡大が原因と考えられた。耳下腺腫瘍の性状について検討した結果、腫瘍の硬いもの、可動性の悪いものは、悪性腫瘍を強く疑う所見であると考えられた。