2006 年 52 巻 3Supplement2 号 p. S172-S177
当科言語治療室を訪れた言語聴覚障害児に対して実施した言語学習能力診断検査 (ITPA) の結果を集計し、分析した。対象は4歳1カ月-9歳9カ月の102名 (男児72名、女児30名)。そのうち88名は言語発達遅滞であり、その他の14名は構音障害や吃音といった何らかの言語聴覚障害を持っていた。分析は各対象児の評価点に対して行った。その結果、視覚-運動回路に比べて聴覚-音声回路の平均値が低く、その中でも特に「文の構成」と「ことばの類推」が低かった。各項目の評価点の相関を見ると同じ回路同士で高く、「数の記憶」はほかの項目との相関が低かった。