耳鼻と臨床
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外耳道湿疹における塩酸フェキソフェナジンの有用性
五十川 修司鳥谷 龍三犬童 直哉大礒 正剛田中 文顕鳥谷 尚史中野 幸治江浦 正郎
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2007 年 53 巻 1 号 p. 27-33

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抄録
湿疹におけるかゆみの誘発に関してはヒスタミンが重要なメディエーターと考えられている。従って、外耳道湿疹におけるかゆみの軽減に抗ヒスタミン薬は有用であると予測される。今回、われわれは外耳道湿疹患者 (15歳以上) を無作為選択 (封筒法) により、ステロイド外用剤 (ベタメタゾン・ゲンタマイシン配合剤) 単独治療群 (30例) と第二世代抗ヒスタミン剤である塩酸フェキソフェナジン1201ng/日を併用した治療群 (39例) に分け、1週間の治療後に外耳道所見、ならびに自覚症状 (かゆみスコアにて評価) の改善度を比較し、塩酸フェキソフェナジンの外耳道湿疹における有用性を検討した。治療終了時における外耳道所見の改善度ではステロイド外用剤単独治療群と塩酸フェキソフェナジンを併用した群の間に有意差は認められなかったが、自覚症状 (かゆみ) においては併用群に有意に高い改善効果を認めた (p<0.05)。外耳道湿疹におけるかゆみに対して塩酸フェキソフェナジンの有意な改善効果が示されたことになり、外耳道湿疹におけるこの薬の有用性が示唆された。
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