日本耳鼻咽喉科学会会報
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総説
めまい診療のすすめ方
肥塚 泉
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2013 年 116 巻 12 号 p. 1282-1289

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抄録
めまいの診断に当たっては, 中枢性めまいと末梢性めまいの正確かつ迅速な鑑別が必要となる. 中枢性の原因で最も重要かつ見逃してはならないのは脳卒中 (脳梗塞・脳出血) である. めまいを来す脳卒中は, 脳幹または小脳の梗塞か出血である. 脳幹障害の場合は運動障害や感覚障害, 眼球運動障害などの多彩な神経症候を来す. 一方, 小脳障害の場合は麻痺や感覚障害は来さない. 小脳上部の障害では構音障害や四肢の運動失調, 小脳下部の障害では構音障害や四肢の運動失調は来さず, 小脳虫部の障害による起立・歩行障害が唯一の鑑別点となる.
めまい急性期は, 前庭自律神経反射に伴う悪心や嘔吐などの不快な症状が生じることが多く, これらに対する早期の対応も必要となる. 抗めまい薬の投与などの対症療法によって, 患者の苦痛を軽減することが重要である. 急性期以降は, 良性発作性頭位めまい症に対しては浮遊耳石置換法を行う. メニエール病に対してはイソソルビドの内服療法を行う. イソソルビドの, 聴覚症状に対する長期成績については有効率が低いとする報告が多いので, 使用に当たってはこれに留意する. メニエール病の発症・増悪に, ストレスが深くかかわっている可能性が指摘されている. 心身ともにリフレッシュしストレスを解消するなど, 生活習慣を改善することが有用である. めまい・平衡障害の程度が強い症例に対しては, めまいリハビリテーションが有用である.
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© 2013 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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