抄録
乳化とは、互いに混ざり合わない2種類の溶液の、一方が小さな粒子になって分散した状態である。食品分野における乳化の利用は、マヨネーズ、ホモ牛乳などが挙げられる。乳化を利用するためには、分散と凝固の安定が求められ、そのために一般にモノグリセリドや卵黄レシチンなどの乳化剤が添加される。しかしこれらの乳化剤の添加は、食品の味や風味、食感に大きな影響を与える。添加物無しで乳化させると、まったく異なった風味になることが予想される。
音速を超える速度で伝播する圧力の波である衝撃波は、数百メガパスカルもの高い圧力を秒速およそ1300メートルもの速度で瞬間的に負荷することができる。衝撃波は伝播する媒体物質の密度境界面において媒体物質に入射した衝撃波は、密度差面で音速を保ったまま衝撃波として通過する透過波と、音速以下の速度となり反射する膨張波とに分かれる。衝撃波がこのように透過波と膨張波とに分かれる際に、密度差面では負圧力が生じ、引っ張り力を生じる。この作用は、水と油との密度差においても生じ、W/O型およびO/W型の乳化状態を発生させる。
本発表では、衝撃波による乳化作用を利用した新規食品開発のための基礎実験として、衝撃波処理による乳化作用について報告する。