日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
頭頸部癌におけるセツキシマブによる間質性肺炎
高橋 克昌西岡 由樹井田 翔太桑原 有紀高橋 秀行岡本 彩子村田 考啓紫野 正人新國 摂工藤 毅坂倉 浩一高安 幸弘近松 一朗
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2017 年 120 巻 12 号 p. 1467-1472

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抄録

 2013年から2016年の3年間にセツキシマブ (Cetuximab, Cmab) を投与した頭頸部癌88症例のうち, 7症例 (8.0%) が間質性肺炎を発症した. 有害事象グレード3以上の重症は4症例で, 3症例 (3.4%) が死亡した. Cmab 治療が奏効 (完全奏効または部分奏効) した43症例のうち, 間質性肺炎は7症例 (16.3%) に発症し, 5症例は導入化学療法後に Cmab 併用放射線照射で根治を目指したプロトコールであった. Cmab 治療効果が不変もしくは悪化の45症例では生じなかった (0%). 治療強度が高いプロトコール, 治療効果が高い症例ほど, 間質性肺炎に注意する必要がある.

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© 2017 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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