1999 年 102 巻 1 号 p. 35-41
スギ花粉症の有症率は1979年頃より増加している. そこで獨協医科大学の所在地である栃木県壬生町でスギ花粉症の有症率を知る目的で町民を対象としたアンケート調査を行った. その結果有症率は1988年に15.6%であったものが1996年では25.0%まで増加していた.
スギ花粉症の有症者の年齢分布をみると, 1988年は10~40歳代に多く, 1996年では10~50歳代に増加傾向を認めた. 両年とも有症者は女性のほうが多かったが, 1~19歳では男性のほうが多かった.
年齢層別有症率では, 有症率の高い年齢層は年齢分布と同様であったが, ピークはともに30歳代であった.
栃木県壬生町での8年間のスギ花粉症の増加は著しかったが, 地域により気候, 環境が異なるため, 今後全国各地域の疫学調査が必要と思われた.