抄録
特発性carotidyniaと考えられる2例を経験し超音波検査とCTによる画像評価と経過観察を行った. 症例1は22歳女性で左頸部痛と腫瘤で初診, 超音波検査とCTにて左頸動脈分岐部周囲の軟部組織陰影を認めた. 2週間で症状は改善し1カ月後の超音波検査で病変の消失を確認した. 症例2は82歳の男性で左頸部痛と腫瘤について超音波検査とCTにより左頸動脈分岐部周囲を取り巻く軟部組織陰影を認めた. 症状は2週間で改善し以後画像上の所見消失を確認した. 過去にcarotidyniaの画像所見の報告は少ないが, 類似の症状を生じうる重篤な疾患の鑑別のためにも超音波検査やCT検査は簡便で有用であると考えられた.