日本耳鼻咽喉科学会会報
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108 巻 , 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 落合 淳志
    2005 年 108 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 2005/02/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    頭頸部腫瘍の病理は臓器の多彩性ならびに出現する腫瘍の多彩性により現在国内はもとより国際的にも統一的な病理学的取り扱いが作成されていない. このため, 症例数の少ない頭頸部がんでは多施設の症例を持ち寄り, 臨床病理学的検索が十分なされていないことが現状である. 現在, 頭頸部がんの診断においても, 病理形態学的手法, 画像解析法および分子生物学的手法が取り入れられている. 我々の施設においても, これまでに国立がんセンター東病院の症例をもとに舌がんおよび喉頭がんの臨床病理学的悪性度の検索や, 放射線治療法の感受性を検討してきた. また生検組織を用いた放射線化学療法の感受性についてretrospectiveな症例を検討し, 遺伝子発現による治療法感受性について報告してきた. 本論文では, 病理から考える頭頸部がんの問題点および我々がこれまで検討してきた頭頸部がんの臨床病理学的検討, 画像解析法の開発および遺伝子発現チップによる治療感受性因子の検討などについて報告する.
  • 坂本 菊男, 伊豆丸 慎介, 栗田 知幸, 宮嶋 義巳, 中島 格
    2005 年 108 巻 2 号 p. 142-149
    発行日: 2005/02/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    1978年から2002年までの24年間に久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科で治療を行った粘表皮癌の初治療例36例のうち, 根治治療を行った33例についてその臨床的特徴と治療成績とを検討した. また大唾液腺の24例を対象にGoodeらの粘表皮癌のgrade分類を用いて病理学的悪性度を検討した.
    部位は大唾液腺24例, 口腔3例, 中咽頭3例, 副鼻腔3例で, 性別は男性21例, 女性12例であった. 年齢は11歳から89歳まで (平均: 63歳) であった. 全体の他病死を打ち切りとした5年累積生存率は64%であった. 部位別には大唾液腺56%, 口腔67%, 中咽頭100%, 副鼻腔100%であった. T別にはTが進むに従って低下し, T4で51%であった. NOは80%であったが頸部リンパ節転移例で22%と低値を示し, NO例との間に有意差を認めた. Stage別にはStage I: 71%, Stage II: 83%, Stage IV: 54%であった. 死因は原発巣死4例, リンパ節死1例, 遠隔転移死6例, 他病死4例であった. 遠隔転移部位は肺4例, 骨1例, 肝1例であった. 治療は全例に広範切除が行われていた. 頸部郭清術を施行した1例でルビエール再発を起こしていた. 放射線治療を施行しなかった20例で原発巣死を4例認めた. 化学療法を施行しなかった31例で遠隔転移死を6例認めた. 大唾液腺24例のGoodeらのgrade分類はlow grade: 3例, intermediate grade: 3例, high grade: 18例であった. Grade別の生存率はlow grade: 100%, intermediate grade: 100%, high grade: 43%であった. 原発巣死4例と遠隔転移死6例はhigh gradeであった. 大唾液腺の治療成績が不良であり今後の治療方針としてhigh grade群は術後に放射線治療と化学療法が必要である. 頸部リンパ節転移例9例のうちリンパ節死1例と遠隔転移死5例を認め頸部リンパ節転移例は化学療法が必要と考える.
  • 佐藤 公則
    2005 年 108 巻 2 号 p. 150-156
    発行日: 2005/02/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    集学的治療の一環として耳鼻咽喉科医が行ったCPAP療法74症例 (観察期間3~21カ月) を検討した. タイトレーションの方法は, auto CPAP装置とPSGを組み合わせてCPAP療法の治療圧 (固定圧) を決定するUnattended automated titration法を行った.
    集学的治療の一環としてCPAP療法単独療法が行われた例は37例 (50%) であった. CPAP療法と鼻疾患の保存的治療が行われた例は25例 (34%) であった. CPAP療法と手術が行われた11例 (15%) では, CPAP療法と内視鏡下鼻内手術が行われた例が10例, CPAP療法とUPPPと内視鏡下鼻内手術が行われた例が1例であった. CPAP療法の治療圧を低く設定するために口腔装置を併用した例は1例 (1%) であった. 保存的あるいは手術的治療で鼻腔通気度の改善を図った例は36例 (49%) であり, 鼻腔通気度の改善はCPAP療法を継続する上で重要と考えられた. CPAP療法を脱落した症例は3例で, Kaplan-Meier法による1年6カ月CPAP療法継続率は96%であった.
    CPAP療法の継続率の向上に集学的治療は寄与し, 集学的治療の一環としてCPAP療法を行うことはアドヒーランスに影響を与える一つの因子になると考えられた.
    OSASに対しては, CPAP療法, 手術, 口腔装具治療などを組み合わせた集学的治療を行い, CPAP療法も集学的治療の一環として行う必要があるといえた.
  • 香取 秀明, 佃 守, 石戸谷 淳一, 三上 康和, 松田 秀樹, 谷垣 裕二, 堀内 長一, 池田 陽一, 木村 真知子, 田口 享秀, ...
    2005 年 108 巻 2 号 p. 157-163
    発行日: 2005/02/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    頭頸部扁平上皮癌進行例を対象にドセタキセル (DOC), シスプラチン (CDDP), 5-FUの3剤 (TPF) 併用化学療法の推奨用量, 有効性を検討した. また, TPF併用同時放射線化学療法 (同時CRTx) を施行し, 推奨用量, 有効性を検討した. さらに, TPF化学療法施行後に放射線治療をした群 (CTx後RTx群) と同時CRTx群の有効性, 副作用を比較した. Day1にDOCを投与し, 投与終了1時間後に5-FUの120時間 (Day1~5) 連続投与を開始し, Day4にCDDPを投与した. 放射線治療は, 同時CRTx群ではDay1から開始し, CTx後RTx群では化学療法終了3週間後に開始した. TPF化学療法の推奨用量はDOC 60, CDDP 70, 5-FU 750mg/m2/dayであり, 奏効率は95%であった. 同時CRTx群の推奨用量はDOC 50, CDDP 60, 5-FU 600mg/m2/dayであった. また, CTx後RTx群と同時CRTx群を比較すると, 奏効率は両方とも100%, CR率が各々87%, 84%と両群とも良好だが, 1年生存率は各々69%, 95%で同時CRTx群の方が有意に良好であった (p<0.05). CTx後RTx群は同時CRTx群より遠隔転移が多く, これが生存率に影響した. 同時CRTx群は白血球減少, 口内炎等副作用が強く出現するため, より全身管理が重要であるが, 良好な結果が得られた.
  • 三枝 英人, 野中 康弘, 池園 哲郎, 愛野 威一郎, 岩崎 智治, 粉川 隆行, 中村 毅, 八木 聰明
    2005 年 108 巻 2 号 p. 164-167
    発行日: 2005/02/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    過去に報告された披裂軟骨脱臼症は気管内挿管などの気道確保後や喉頭外傷後に発症したものであり, 肩関節習慣性脱臼のように外傷の既往がなく自然発症したという報告は皆無である. 今回, われわれは自然発症した後方型披裂軟骨脱臼症例を経験したので報告する. 症例は53歳男性で, 数カ月前から突然失声に陥り, 数分で正常に戻るということを繰り返していた. 今回も突然誘因なく失声状態に陥ったが, 回復が認められなかったため当科を紹介され受診した. 喉頭内視鏡所見では, 左側声帯突起が外後方へ変位し, 声帯全体が前後に緊張し, 幅が減少しており, 発声時には声帯のレベル差が著明で高度の声門閉鎖不全を呈していることが確認された, 発声時のX線透視所見では左側声帯と披裂軟骨上部構造の異常運動性が確認され, 輪状披裂関節の触診で患側の腫脹と圧痛を認めた. なお, 内喉頭筋の筋電図の結果から反回神経麻痺は否定された. 以上のことから, 自然発症の後方型披裂軟骨脱臼症と診断した. 治療は, 通常の徒手整復術では不完全であったが, 患側梨状陥凹を経由して頸部食道内に挿入されたバルーンを引き抜きつつ, 喉頭を外方から圧迫することで徒手的に整復することができた.
  • 丸山 裕美子, 遠藤 一平, 塚谷 才明, 古川 仭
    2005 年 108 巻 2 号 p. 168-171
    発行日: 2005/02/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    特発性carotidyniaと考えられる2例を経験し超音波検査とCTによる画像評価と経過観察を行った. 症例1は22歳女性で左頸部痛と腫瘤で初診, 超音波検査とCTにて左頸動脈分岐部周囲の軟部組織陰影を認めた. 2週間で症状は改善し1カ月後の超音波検査で病変の消失を確認した. 症例2は82歳の男性で左頸部痛と腫瘤について超音波検査とCTにより左頸動脈分岐部周囲を取り巻く軟部組織陰影を認めた. 症状は2週間で改善し以後画像上の所見消失を確認した. 過去にcarotidyniaの画像所見の報告は少ないが, 類似の症状を生じうる重篤な疾患の鑑別のためにも超音波検査やCT検査は簡便で有用であると考えられた.
  • 中本 吉紀, 飯野 ゆき子, 小寺 一興
    2005 年 108 巻 2 号 p. 172-181
    発行日: 2005/02/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    【目的】 騒音性難聴を呈した2症例の側頭骨標本を観察し, 聴力像と内耳変化の関係を調べ内耳変化の要因を考察した.
    【対象】 症例1は50歳男性, 甲状腺癌で死亡した症例で38年間印刷工場に就労し, 純音聴力検査にて4kHzを中心とした高音障害型感音難聴を認めた. 症例2は58歳男性, 上顎洞癌にて死亡した症例で22年間建設現場に就労し, 高音急墜型感音難聴を認めた.
    【方法】 光学顕微鏡下に内耳変化を観察し, Schuknechtらのaudio-cytocochleogram作成法に基づきaudio-cytocochleogramを作成した.
    【結果】 側頭骨病理所見では症例1, 2において基底回転のコルチ器, ラセン神経節細胞, 神経線維に変性, 消失を認めた. 症例1では血管条にも変性, 消失を認めた. Audio-cytocochleogramにおいて症例1, 2の難聴像と内耳変化は一致し, 特に症例1のコルチ器, 血管条の変性, 消失は限局性で高度であった.
    【結論】 騒音性難聴の成因として長期間の騒音暴露により基底板の最大振幅部のコルチ器は, 音響エネルギーの機械的ストレスと音刺激による感覚細胞の代謝亢進から疲弊し, 障害を生じることはよく知られている. また動物実験では, 騒音暴露により蝸牛内循環障害が生じることが報告されている. 今回の症例1においてはコルチ器に加え血管条にも変性を生じていたことから, ヒトにおける騒音性難聴の側頭骨病理変化の成因として従来からの説である疲弊効果に加え, 騒音暴露による蝸牛内循環障害も生じる可能性があると考えられた.
  • 岡田 修一
    2005 年 108 巻 2 号 p. 182-185
    発行日: 2005/02/20
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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