日本耳鼻咽喉科学会会報
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Sialoagiectasis の免疫学的研究
宮下 久夫北村 武石川 哮神田 敬藤田 洋君島田 哲男
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1974 年 77 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
目的:小児期に,反復性耳下腺腫脹を来す,いわゆるsialoanglectasis20症例について,umps罹患との関係,免疫グロブリンの異常の有無,予防的治療として,細菌ワクチン療法の臨床的効果を観察した.
方法:患者血清について,mumps virus の補体結合反応,赤血球凝集抑制反応を行った.
ワクチン療法を行った症例を含む各症例について.StreptocGccns viridans(S.viridans)の凝集抗体価と共に,Manc鋤の方法に従つて,血清免疫グロブリン(IgGjgA.IgM)の定堂を行った.ワクチン寮法の効果は,腫脹の頻度とslalogramを参考にして,観察した.
結果:この疾患と,umPSとは無関係であつた.血清中の免疫グロブリンは,ワクチン療法にかかわりなく,IgAが高値を示す傾向にあつた.低ガンマングロブリン血症は認められなかつた.S.vildans凝集抗体価は.ワクチン療法の前後で変化はなかつた.
ワクチン療法は,17症例中13例(76%)に腫腰頻度が少くなり,有効と考えられた.
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