日本耳鼻咽喉科学会会報
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高度難聴者の補聴器による聴覚補償とその評価法
河野 淳
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1993 年 96 巻 3 号 p. 466-477,549

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抄録

平均聴力レベル90dB以上 (平均105.9dB) の補聴器装用の高度難聴者49名を対象に, 補聴器による聴覚補償, 主観的評価 (アンケート調査) と客観的評価 (語音了解度検査) との関連性について検討した. 主観的には「静かな所での一対一の会話」の聴覚補償可能例が90-110dBで約60%と高かった. 客観的には聴覚のみと視聴覚併用の正答率は, 単音節で19.6%, 46.3%, 単語で19.8%, 43.4%, 文で29.5%, 60.0%であった. 単語, 文および視聴覚併用, 聴覚の検査項目に他との関連性が多くみられた. 高度難聴者の検査として, 単語, 文の検査, さらに視覚の検査を行えば補聴効果を一層知りうると推察した.

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