情報通信政策研究
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立案担当者解説
聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律
甚田 桂
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2020 年 4 巻 1 号 p. 187-200

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抄録

第201回通常国会において成立した聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律は、聴覚障害者等1による電話の利用の円滑化を図るため、①国等の責務及び総務大臣による基本方針の策定について定めるとともに、②聴覚障害者等の電話による意思疎通を手話等により仲介する電話リレーサービスの提供の業務を行う者の指定に関する制度及び当該指定を受けた者の当該業務に要する費用に充てるための交付金に関する制度を創設する等の措置を講ずるものである。

①については、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に当たっては、国等の関係主体が政策的意義を共有し、相互に連携した上で、電話リレ-サービスの提供を含む措置を総合的に講ずる必要があることから、国、地方公共団体、電話提供事業者及び国民について、それぞれの役割に応じた責務を課すとともに、電話リレーサービスの適正かつ確実な提供に加え、音声認識やAI等の技術開発の推進等も含め、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に資する施策全般についての方針を定める観点から、聴覚障害者等による電話の利用を円滑化するための施策に関する基本方針の策定について規定するものである。

②については、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化を図るためには、電話リレーサービスの適正かつ確実な提供を実現することが重要であることから、電話リレーサービスの提供の業務を適正かつ確実に実施できる者を、その申請により、電話リレーサービス提供機関として指定することができることとし、業務規律及び監督規律に関する規定を整備するとともに、電話リレーサービスの提供の業務に要する費用に充てるための交付金を、電話リレーサービス提供機関に対し交付することとし、当該交付金に係る負担金について、電話提供事業者に納付を義務付ける等の措置を規定するものである。

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