情報通信政策研究
Online ISSN : 2432-9177
Print ISSN : 2433-6254
ISSN-L : 2432-9177
寄稿論文
道具としてのAIとクリエイティブ産業の拡大
内山 隆
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2023 年 7 巻 1 号 p. 1-23

詳細
要旨

本稿では“道具としてのAI”の側面を考察する。著作物はあくまで人間による創作という前提、および現在の生成AIがはきだす品質や正確性、を考えれば、最後は人間によるファイナル・カットであることが求められるし、生成系AI出力を最終成果物とすることへの昨今の社会からの疑義にも違和感はない。一方、中間工程、中間財としては既に積極活用がみられ、クリエイティブの選択肢や作業効率の向上に貢献していると考えられる。

AIという道具は、i) UGCにみられるアマチュア・趣味層の創作活動への関心と参画を促し、なかには優れた生成物を生み出して、ii)それらが一部の有償のスタッフの仕事を奪うことも起きるが、iii) 全体にプロの仕事のうち煩わしい部分の効率化につながる側面もある、と考えられる。AIの進化に伴いi)、ii)に対して、iii)の性質は産業の拡大に対してトレードオフにあり、AIの進化と産業の拡大のバランスをとることにおいては、AI活用の仕方や生成物の質の高さ、人材のキャリア・パスなど、マネジメント事項は少なくない。

Translated Abstract

This paper considers the aspect of "AI as a tool". Considering the premise that works are created by humans, and the quality and accuracy of the current generation AI, the final cut must be made by humans, and society's recent doubts about the use of generation AI output as the final product are not surprising. On the other hand, it is already being actively utilised as an intermediate process and as an intermediate good, and is considered to be contributing to creative options and improved work efficiency. The tools of AI are,

i) Encouraging interest and participation in creative activities by amateurs and hobbyists, as seen in the UGC, some of whom have produced excellent products,

ii) Those can take away the work of some paid staff, but

iii) It may also lead to an overall improvement in the efficiency of the more tedious parts of professional work.

The nature of iii) as opposed to i) and ii) as AI evolves is a trade-off against industry expansion, and there are many management issues in balancing AI evolution and industry expansion, including how to utilise AI, the quality of the products and the career paths of personnel.

1.はじめに

本稿では“道具としてのAI”の側面を考察する。クリエイティブ産業でのクリエイティブ制作において、身体表現領域は別としても、何らかの道具は必要である。中世以来、ペンや筆とキャンバスや紙、木や金属を用いた楽器、レンズとフィルムや磁気テープのようなアナログ記録媒体であったものが、急速にデジタル化し、Desk Top Publishing/Musicやデジタルカメラ、ノンリニア編集へとPC/デジタル・ベースの道具に変わった。このデジタル・ベースのところに、AIという機械化の進化が入ろうとしている。もちろんそれらの新しい道具がクリエイティブの全てというわけではなく、今でも伝統的/古典的な道具と併用して用いられている。伝統的/古典的道具が使われなくなったわけではないが、じわじわと使用領域は狭まり、一部の高コストでハイエンドでの使用に狭まりつつある。

2022年8月に公開されたStable Diffusion、11月に公開されたChatGPT(3.5)の社会的反響は大きいが、本稿での考察対象範囲は、2016年頃からの深層学習AIから、2022-23年頃に世の中で急速な社会的認知を得た生成系AIまでに広げたものとする。

2.2015-23年の間にみられた現象

生成系AI出現を、18世紀の産業革命のように例えることもあれば、拙者が想起することは、映画『2001年宇宙の旅』の劇中で、魁種族(地球にモノリスを設置して地球人類を突然進化させた主体)から人類に3度与えられたモノリスのようにみえる。そのモノリスに右往左往する劇中の人類の様は、2022-23年のAIに対する正、負、両面での議論の活発さと重なるものがある。どちらにせよ、技術や社会の進化/変化に非連続の大きな影響を与えそうな予感が漂う。

映画『オッペンハイマー』が題材としている1940年代の核技術開発がそうであるように、またウイルスとワクチン、バイオ技術がそうであるように、AIという道具においても、正となる側面と負となる側面が同居しているのは、一つの事実である。調理に刃物は必要であり、高品質な刃物は食材を活かすものとなるが、間違った使い方をすれば凶器になる。

著作権を根拠にした反発が既に大きい。2022年8月26日から開催された第150回コロラド州品評会(fine art competition, the Colorado State Fair)のデジタルアート部門において、ジェイソン・アレン(Jason Allen, コロラドのゲーム会社Incarnate Games社長)が提出した作品が1位を獲得、その作品がMidjourneyによって生成されたものであったことが、様々な議論を巻き起こした。前後して米国著作権局(The US Copyright Office)は、AI制作物に著作権はない旨の回答を何度か、出している2。また世界の各種業界団体やメディア企業からは、自社のコンテンツを無差別・無制限に生成AIの教師データに用いることに対しての反対の声明も数えきれない程、多く出されている3。生成AIは有望そうな道具ではあるが、その生成物は、著作権侵害や正確性、等、リスキーで危なっかしいのである。

2023年はいくつかの政府間国際会議の場においても、グローバルなルール・メイキングの必要性が声明として出されているが、そのルール・メイキングは簡単なことでないため、まずはソフト・ローとしてのガイドライン作成が、各所で進んでいる。

本2節では、拙者が編集として関与した『デジタルコンテンツ白書2023』での特集を元に、生成系AIのクリエイティブ産業でのプロユースという観点でのいくつかの傾向をまとめる。どちらかといえば正の部分に着目し、負となる部分との切り分けのきっかけや着眼点を探っていきたい。

2.1.AI出力がストレートに最終成果物とはなりづらい。

アマゾンの電子書籍やSpotifyのラジオ機能”DJ”のなかで、AI生成物が「23年に入って指数関数的に激増」しているとの指摘がある4ものの、社会制度や社会慣習として、またオーソドックスにプロならば持つであろう矜持として、AIが生み出す生成物を最終財として公表する/またそれを受け入れる社会の土壌は、2023年夏の時点においては、まだ弱い。著作権の問題以外5にも、本質的なところでは、AI生成物のクリエイティブ品質水準、またジャンルによっては正確性に、彼らは信頼性を置いていないからである。同時に生成系AIにまつわる上述の著作権議論によって、「著作物とは人間が生み出すもの」という社会制度(著作権)上の原点を改めて世界が再確認する契機となっている。

ただし著作権を認めるにあたっての人間の関与の度合いの具体的なレベルについての合意は、全く定まっていない。上述のように、ソフト・ローとしてのガイドライン策定は各所で進み始めたが、例えば一般社団法人ディープラーニング協会が23年5月に公表した『生成AIの利用ガイドライン【簡易解説付】』6では、プロンプトの入力次第で、画像生成AIについては著作権発生の可能性という一つの考え方を示している(cf. Appendix)。ただしそうなるためには、安易なレベルのプロンプト数では難しいことを、米国の著作権当局は23年9月に示した(後述2.9節)。その後、ディープラーニング協会もガイドラインを改定している(ディープラーニング協会(2023)b)。

2.2.動画系の生成物の品質7は、AIよりも人間のほうが、まだ上回る。

DCAJ(2023)の編集において、もっとも勇気づけられた点がこれである。ゲームやアニメの領域では、最終AI生成物がまだまだ一流、第一線のプロの領域に達していないという指摘は大きい。ゲームを含むいくつかのジャンルでも指摘されたが、模倣やパターン化は機械学習(1997年頃~)の特性でもあり、AIは効率的に生成物をはき出すが、クリエイティブの本質はそれを凌駕するものであること(前衛性)を示すもので、改めて一級のプロは尊敬すべき存在である。J.キャメンロンやC.ノーランといったハイエンドの映画監督/プロデューサーも全く恐れていない様子である8

動画系は、人間の眼と耳という複数の感覚器に対して画と音の形、さらにゲームの場合には動きに対するリアクションの形が加わり、時間軸上、それらが同期して訴えかける真のマルチメディアであり、活字や静止画、単楽器だけのシングル・メディアムと比べれば、決定的に完成度の難しさが上がる。オーケストラがハーモニーを打ち出すように、一つの作品として高い完成度を出すには、個々のメディアムでの完成度のみならず、統合の完成度も問われる。究極のマルチメディアはメタバースであるが、動画やゲームのように二つないしは三つの人間の感覚器に訴えかけるジャンルであると、生成AIの生成物は、まだまだという評価である。

しかし中長期的には、AIの進化と共に、そうした凌駕できる前衛クリエータの数は絞られていくであろうし、生成AIの存在が、今世紀になって着目されている「イノベーションのジレンマ」論を否定するものでもない。むしろAIはそれを生みやすい存在である。

一つわかりやすい例を出してみよう。マルチメディア統合の難しさを提起したが、実はシングル・メディアムの完成度を高めるだけでも、かなり難しい。放送分野において字幕(クローズドキャプション)付与は、社会的要請9もあり、積極的な付加が求められる。一方、IT専業者の配信等、例えばYouTubeやウェブ会議アプリ(Teams, ZOOM, Webex)等では、AI活用の機械的な文字起こしがなされ、既に実装されている。現在、日本語文字起こしについては、誤変換も大量に含まれている。誤情報/偽情報(Misinformation, Disinformation)に対して、大変、敏感な時代である。求める正確性のレベルが究極のため、放送事業者は、それがネックとなり、機械的文字起こしの開発の歴史は長いものの10、なかなか実務に実装できない。わが国であればNHK放送技術研究所が、自動番組字幕システムの開発に相当の年月を要していること11を鑑みれば、プロユースの基準に達していない。今はまだ人間によるチェックが必要である。正確性(accuracy)が求められる分野、常に情報の真贋性の確認やウラ取りが必要な分野では、現状、AI生成物は、そのままではまだ使用に耐えうるものではない。機械学習のころから、Human-in-the Loopという概念のもと、学習ループのなかに人間関与の必要性も言われてきたが、まさしくそれがないと完成しないのである。

そこで、仮に文字起こしと校正チェックの2段階で字幕作成するとすれば、

  • ① 人・文字起こし ⇒ 人校正チェック
  • ② 人・文字起こし ⇒ AI校正チェック
  • ③ AI・文字起こし ⇒ 人校正チェック
  • ④ AI・文字起こし ⇒ AI校正チェック

の4フローが考えられる。①は従来型のやり方であるが、作成に時間がかかる。②と④は現在の技術水準では、正確性が確立していない。③が正確性と時間短縮(効率化)の2指標からの評価で、バランスのとれた有効なオプションであることが指摘できる。

本来、”機械化や自動化“は、フールプループやフェイルセーフという性格を持つものであり、製造品質の安定化、分散の小ささには寄与してきたが、設計品質上、高品質かどうかは、一旦、考察が必要である。20世紀中にいろいろな分野で機械制大工業、大量生産・大量販売の体制は確立したが、機械を凌駕する職人の技や究極の高品質な手工業による生成物が全て絶滅したわけでない。紡ぎだされる言葉の正確性において、例えば評判の高い翻訳アプリ Deep LとChatGPTの比較などは、一般のレベルでも多々行われており、それらを観察する限り、なかなか明確な優劣を付けがたい文章レベルに到達しているのも一面の事実であるが、それが究極の品質かと言われれば、プロの翻訳家やアニメのファン・サブ・サイトの主は同意しないだろう。ChatGPTの語彙・語順の生成アルゴリズムを考えれば、「正しい文法」の追求は得意とも想像できるので、校正ツールに閉じて使うならば有効な道具かもしれない。

一般に、生成AIのハルシネーション(Hallucination;もっともらしいウソ、事実とは異なる内容や、文脈と無関係な内容)は、既に広く認識され始めており、内容の点でも最終成果物を生み出す道具としての域には達していない。正確性が求められる分野ではそうであるが、前衛性が必要な分野では、ハルシネーションというよりは、世界感/世界線を、いかに上手く演出するかのほうが重要であるので、イマーシブ(没入感)のような評価軸で評価されるべきであろう。

2.3.企画や調査等の開発段階での積極的な使用。

クリエイティブの工程全体のなかで、途中工程では、AIはむしろ積極活用がなされている。DCAJ(2023)では、特に企画や調査といった前工程や開発工程での積極活用は共通した傾向であった。

2.4.業務過程の省力化、中間財としての使用は積極的であり模索されている。

新聞や放送などの報道メディア分野でみられた共通項は、インタビューや映像の文字起こし/字幕作成の効率化、要約作成といった部分職能の領域、中間財的な成果物としての活用であった。世界新聞・ニュース出版社協会(WAN-IFRA)のアンケート結果は、想像以上に活用がなされていることを示されている。

【出所】WAN-IFRA12

非紙媒体でも、あくまで最終ではない、中間過程的なところ(例えばマンガでのラフスケッチなど)、あるいは全体を構成する一部のパーツ部分の生成(例えば背景美術の自動生成の開発)としての使用の模索が挙げられているが、これも中間財的である。

2.5.クリエイティブな選択肢/オプションの増加。

企画や調査、開発を充実したものにするためには、単位時間あたりのオプションや選択肢を増やすことが王道である。俗にマーケティングやクリエイティブの世界でいわれる“引き出し”である。クリエイティブの世界では「無から有を創る」という例えや語り方が好まれるものの、全知全能ではない人間が無知であるという当たり前の前提(知らないことを“無”とみなし、その無があることは人間にとって当然であり、既知のなかから準最適な意思決定が行われるという、意思決定論での「限界合理性」)を考慮し、クリエイティブな行為を既知の知の順列あるいは組み合わせの問題とみなすならば、おのずと選択肢となる知の量の増加は、アウトプットである生成の増加につながる(後述3節)。

マンガの領域では「コミコパ; Comic Copilot」というアプリが提供されている。これはアル株式会社が集英社「少年ジャンプ+」編集部と共同で開発したAIエンジンで、「たとえば、セリフのパターンをもっと出す、キャラクターの名前の案を出す、など、漫画を制作する人たちの創作活動をより簡単にしたり、アイデアをふくらませるお手伝いなど」を、対話型アプリにて提供するものである。

【出所】コミコパ13

一方で生成されるものが全てポジティブに人々に受け入れられるとは限らない。過去、ゾンビゲームの動きに使えるかもしれないということでAI学習が生み出した気持ちの悪い動きのCGの映像に対して、宮崎駿監督が「これを作る人たちは痛みとか何も考えないでやってるでしょう。極めて不愉快ですよね。極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」といった発言14のように、受け入れる人間側の(理性ではなく)感性の問題が存在する。AIの人類に対する危機を訴える社会・世界の声も少なくないが、ネガティブなアウトプットのなかには、強烈に人類の生存に影響をもたらすものも生成しうると考えるのだろう。

2.6.使い慣れたソフトウエアやサービスへのAI生成機能の組み込み。

ChatGPTやMidjourneyなどをスタンド・アローンに使うのではなく、プロも長年使ってきているソフトウエアやサービスにAI機能を組み込み(あるいはAI機能が組み込まれ)、自然な形でAIの能力を活用できるパターンがある。noteの機能向上としての「note AI アシスタント(β)」、ゲームUnreal Engine向けのプラグインSmart NPCsの事例、Adobe Creative CloudへのAIを活用した機能Adobe Firefly15(2023年)、 Adobe Sensei(2016)、写真素材のストックサービスを提供するShutterstockによる画像の自動生成サービスShutterstock.AI16も、広くプロユースされているソフトウエアやサービスへのAI機能組み込み事例となろう。

Shutterstock.AIやAdobe Fireflyの場合は、それぞれが許諾のあるストック・コンテンツを教師データとして学習という形をとっており、教師データの著作権問題に対し、同社のクローズド・モデルとして対応できている点に特筆がある17。その分、サービス供給者としての責任ある許諾取得の責任は重くなるが、B to Cのなかで著作権問題を解決するよりは、 B to Bのなかで解決を図る方が現実的に思われる。

こうしたプロ向けのソフトウエアでなくとも、一般的なマイクロソフトOfficeソフト、Windows11 OSにAIを活用したCopilot機能(2023)の導入18もある。この事例では、「if you are challenged on copyright grounds, we will assume responsibility for the potential legal risks invholved.」、「if a third party sues a commercial customer for copyright infringement for using Microsoft’s Copilots or the output they generate, we will defend the customer and pay the amount of any adverse judgments or settlements that result from the lawsuit,」と発言されている19。またOpen AIも、11月6日付けで、同様の対応を「Copyright Shield」という名称のもとで発表している。既に一般のなかでも、ChatGPTから書き出したExcelマクロを入れて業務効率化を図っているような活用例は多いと思われ、それをベンダー自身が法的リスクに対して安心して使えるようにしている試みは、使い勝手のよい道具として、評価しうる。

なおAdobeはそのエンタープライズ版について6月8日付け20で、Googleは10月13日付け21で、同様の訴訟対応への発表をしている。

2.7.工程の入れ替え、変化、Business Process Reengineering。

コロナ禍直前くらいから、映画やドラマ等の領域において、インカメラVFX(ヴァーチャル・プロダクションの一種)22が急速に普及している。大型LEDパネルをホリゾント幕のように見立て、そこに背景画像を投射し、LEDパネル前で演じる役者等とリアルタイムに合成するものであるが、その収録を行うカメラの動き(パン、チルト、ドリー、トラック、ズーム)に併せ、背景画像が同期して動き、パースペクティブ上の違和感のない合成を行うものである。その際、Unreal EngineやUnityなどのゲームエンジンによる収録カメラの動きと背景画像の出力の同期は不可欠で、LEDパネルに映し出される様々な背景やプロップは、デジタルでの製作(実写であっても3Dデータ化)が必要となり、世界感の統一した背景映像(舞台映像)には、生成系AIが持つ解釈力が有効に作用しうると考えられる。現在、街中でのロケは、様々な理由で、年々厳しくなっており、仮にできたとしても、不要な映り込みの削除などの後処理が必要となることも多い。コストとCG製作の手間次第では、より普及が見込まれる。

(図表 バーチャル・プロダクションのワークフロー)

【出所】Epic games (2019)23、p6

この場合、従来ならばポスト・プロダクション段階での作業であったCG製作や視覚効果や特殊効果作業、実写との合成の調整など、作業の多くが、プリプロダクション段階へ前倒しされることになり、伝統的な工程手順を大幅に変えるものとなる。こうしたワークフローの変化は、一般に、経験豊かなプロほど抵抗感の強いものとなるが、1993年から議論の始まっているBPR(Business Process Re-Engineering)の思想そのものであり、比較的大きな社内変革を求めることにはなるものの、局所的な改善活動よりも大きな改善(生産工程効率とアウトプットの質双方)を生む可能性がある。

2.8.現場でのクリエータ間コンフリクトを回避する生成系AI。

DCAJ(2023)を編集した際、もっとも考えさせられた指摘がこれである。ゲーム分野で指摘された(比較的定型的な作業領域での)クリエータ同士のコミュニケーションの煩わしさを回避する代替手段として、生成AIを用いることの有効性の指摘は、非常に解釈が難しい。定型的ではなく差別化につながるようなクリエイティブ作業領域ならば、そうした人の感性のぶつかり合いこそクリエイティブの可能性かもしれない。しかし定型的な作業領域ならば、文字通りAIが人の仕事を奪う直接の現場になることから回避すべきとの反駁も考え得るだろう。それでも、実際、現場でのワークにおいて、そのようなコンフリクトは日常茶飯事であり、煩わしく、時間や神経、エネルギーを要する場面が多々あることも事実であり、AIで代替したくなる誘惑も十分に理解できる。

多くの稿で指摘されたように、社会的な労働力不足は現実の問題であり、それを補うという点での生成AI活用は現実的であるし、その際には、労働基準法、最近ならばフリーランス新法等の様々な人間の労働に関する規制とも無関係でいられる。労働力が足りているのか?不足しているのか?も、判断において重要な前提条件となるということであろう。

2.9.小括

何十年も前のコンピュータの普及があった際、経営管理におけるDSS(Decision Support System;意思決定支援システム)にまつわる議論があった。それと同様、深層学習AIや生成系AIの適切な使い方として、まずはCSS(Creative Support System)のように位置づけることに思われる。人間の判断こそ、最終決定稿ファイナル・カットに置く、という意である。

上述のようにディープラーニング協会(2023)aは、人間関与の考え方(その後の著作権発生の条件)の一つの形を示した。もっともこれはソフト・ローのレベルであるし、「人間の関与」のあり方や具体化には、もう少し事例の積み重ねと、人々の慣れと理解の浸透が必要に思われる。実際、冒頭に紹介した第150回コロラド州品評会でのジェイソン・アレンの作品も、「624回のプロンプト入力とPhotoshopによる修正」をした作品とされる24。それでもアメリカ著作権局審査委員会は「登録に必要な人間の著作権が欠けている」として、23年9月5日付で著作権の保護を拒否している25。その程度では人間の関与とならないということである。その後、ディープラーニング協会(2023)bのそれは、少し後退した解説になった(cf.Appendix)。

「人間の判断こそ、最終決定稿ファイナル・カットに置く」ということからは、人間とAIの主従関係は明確である。あたかも古典的な「ロボット三原則」(人間への安全性、命令への服従、自己防衛)のようである。23年7月25日に開かれた米国上院司法委員会にて証言した3人のAI専門家の一人、スチュアート・ラッセル教授26は、「今、私たちにできることは?」との問いに対し、

  • 1. 人と接しているのか、それとも機械と接しているのかを知る絶対的な権利を作る。
  • 2. 人間を殺すことを決定できるアルゴリズムを、いかなる規模であれ違法とする。
  • 3. AIシステムが他のコンピュータに侵入したり、自分自身を複製したりした場合のキルスイッチを義務付ける。
  • 4. ルールを破ったシステムは、強制リコールのように市場から撤退させる。

と発言している27。また同委員会にて、ダリオ・アモデイ氏28は「自動車や電子機器の場合と同様のテストおよび監査プロセスの作成。『一連の厳格な安全性テスト』の開発」と発言し、人間による管理を主張している。

ロボット3原則のような主従関係が打ち破られる時とは、ロボット(AI)とロボット(AI)が自律的なコミュニケーションを始める「ターミネーターの世界」が現実化するときであろう29

3.モデル1 クリエイティブへの貢献(1) 水平的な差別化、クリエイティブな選択肢/オプションの増加

3.1.クリエイティブな選択肢/オプションの増加

2.5.で指摘したように、クリエイティブの企画や調査、開発を充実したものにするためには、単位時間あたりのオプションや選択肢を増やすことが王道であろう。

クリエイティブの世界では「無から有を創る」という例えや語り方が好まれるものの、全知全能ではない人間が無知であるという当たり前の前提(知らないことを“無”とみなし、その無があることは人間にとって当たり前である。その無までを包含するのではなく、既知のなかから準最適な意思決定が行われるという、意思決定論でいう「限界合理性」)ことを考慮し、クリエイティブな行為を既知の知の順列、あるいは組み合わせ問題とみなすならば、以下のような解釈ができる。基礎的な順列(permutation)の問題として、クリエイティブ・アウトプット(CO)数

  

とすれば、検索エンジンの性能向上や生成系AIの教師データの量の増加はnの増加とみなすことができ、

  

というストレートな結論が出される。またPCやサーバーなどの性能向上、そして生成系AIの結合能力や深層学習AIという道具により、単位時間あたりの解析や処理能力が上がることで、現実的に処理可能なr数が高まれば、COnの数は、再び、

  

となり、意思決定上の選択肢の増加が期待できる。

3.2.能力の、生成物の質への転化

一方で、コンテンツ消費において、消費者は無限に消費できるわけではなく、時間や予算制約を持っている。また企業はライバル企業との競争もある。それを見越して供給側はむやみに粗製乱造するのではなく、集中戦略をとることとし、少数の作品(例えば映像分野なら、限られた本数や尺に)に能力を集中するものとする。そこで、次のような仮定を置く。あるクリエータや会社のプロデュース能力(質的)をPO = f (COn)とみなし、COnの増加関数とする。その能力を一定の作品数(=x 、所与の定数)に振り分けるものとする。そうすると作品1本あたりの情報的な密度、それを言い換えるならば作品の質(クリエイティブ・アウトプットの質;COq)とするならば、

  

となり、経営戦略上の意思決定であるxの与え方次第で、作品ラインナップ充実という方向性か、逆に少数精鋭の高品質な作品制作という方向性のいずれにも応用できる。このうち

  

という論理パスは、例えば、より多くの情報を合成して、精緻・高精細な品質の作品に仕上げる、であるとか、同じ尺のもとでより多くのシーンを組み込んだ世界観の広い/展開のテンポ感の速いストーリー・テリングに仕上げる、といった解釈ができる。つまりAIの能力を、(量ではなく)質の向上に転換するという側面である。この質的な意味での順列の問題が、AIの“新しいモノをクリエイト”する道具として期待できる側面と考える。

一方で生成されるものが全てポジティブになるとは限らない。過去、ゾンビゲームの動きに使えるかもしれないということでAI学習による気持ちの悪い動きのCGの映像に対して、宮崎駿監督が「これを作る人たちは痛みとか何も考えないでやってるでしょう。極めて不愉快ですよね。極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」といった発言30のように、受け入れる人間側の(理性ではなく)感性の問題が存在する。ポジティブな生成物もネガティブな生成物もAIは生成オプション数が多いため、凄い物にも嫌な物にも出会う確率が高くなる。ふり幅が大きくなる。そのネガティブな生成物に対する懸念が、ターミネーターのような心配を呼び込むのは自然である。

4.モデル2: 産業全体に寄与するか?

4.1.垂直的な質を考慮した簡単なモデル

クリエイティブの世界では、(拡販的な量の競争のみならず)質の競争は重要である。後述のスーパースター効果で主張されるように、究極に高い質には収穫逓増的結果をもたらし、産業規模を拡大させることもありえる31。いわば品質についての収穫逓増性、べき乗則の指摘でもある。Caves(2000)では、クリエイティブ財の7つの特性を指摘するが、そのうちの一つに「垂直的に差別化された技能Aリスト/Bリスト」(Vertically differentiated skills: “A list / B list”)特性が挙げられている32

そうした質の上での垂直的な序列を組み入れたうえで、AI生成の効能を考えたい。またここでは単純化し、財の品質とそれを担う人材のスキルは、概ね対応していると単純化する(プロはプロ品質の作品を生みだし、セミプロは、概ねセミプロ品質の作品を生み出す)。

あるクリエイティブ産業の人材は、次の3つの垂直的な質的な差異のある人材層によって成り立っているとする。

  • *A;プロ層とB;セミプロ層、C;アマチュア・趣味層(の3層構造)
  • ・Aクラス人材(プロ層。内容のレベルはともかく、常に仕事があるクラス。ただし仕事内容はクリエイティブな活動のみならず、Bクラスのマネジメント責務をも持つ)
  • ・Bクラス人材(セミプロ層で、常に仕事の機会があるとは限らない人材層。全体数をBallとし、このうち有償の仕事を得られるBクラスの人数を有償BクラスBpaidとする。)
  • ・Aクラスと有償Bクラスの賃金率は、一旦、単純化のため、同一とする。
  • ・Cクラス・アマチュア・趣味層(基本は消費者であるが、趣味レベルならば創作には関心がある層)

AI生成は、模倣が得意であり、CクラスにとってはBクラスに、BクラスにとってはAクラスに追いついたような質の成果物を生成する。一旦、それは産業トップの質(Q)を上げるものではなく、むしろAクラスにとっては退屈な作業の省力化に役立つレベルとする。またアマチュア・趣味層にBクラス参入を誘うような道具でもある。

また本節のモデルでは、個人創作ではなく、Aクラス、Bクラスが協業するような集団創作型のクリエイティブを想定する。それは、Bクラス人材の成長が、単にAクラスのトップクリエータの作品を鑑賞して、その技を盗み技能を成長させるだけではなく、Aクラス人材と共に仕事をすることでのOJT的、徒弟制度的、以心伝心な成長の機会によってもたらされるタイプのものを想定するためである。

  
  
  

AIという新しい技術の導入が起こる。AIの能力をαで表すものとし、AIの能力α向上が、以下のi) からiii)の3つの効果をもたらすとする

  • i) アマチュア・趣味層のBクラスへ参入モチベーション刺激と参入者の増加。

      

  • ii) Bクラスの底辺部分の仕事のAI化/無料化による、Bクラスでの有償仕事の枠の減少、仕事獲得の競争激化。有償Bクラス Bpaidを、産業の「裾野の広さ」を表す代理変数とみなし、

      

    とした場合、

      

  • iii) AクラスとBクラス層の仕事の効率化への貢献。煩わしく退屈な仕事の機械化、その手が空いた分、クリエイティブへの集中、という側面。

      

      

(1)式の産業規模Y =f (Q、Bpaid)を、

  

と置き換え、上記の(6)(5)

  

の性質を考慮すれば、産業トップの質の高さの上昇と有償Bクラスへの影響が、αのトレードオフの関係にあるなかで、産業規模を最大化するような最適なαを求めることになる。もしプロデューサーなり会社が事業活動において、αの投入水準をコントロールする/できるとすれば、(8)式の最適化はごく普通に

  

特に左辺について展開すれば、

  

となり、数式上は「AIの能力α」がもたらす「産業トップの質Q」上昇と「産業のすそ野Bpaid」の縮小の限界効果を天秤にかけてαを投入するのが最適である。

前者のQ上昇に至る過程は、Bpaidの縮小に比べて、多段階であり明らかに時間を要する。生成系AIという道具に刺激されたアマチュアのクリエイティブ活動への参入(∂Ball/∂α) から、アマチュアからセミプロへの出世 (∂Ab/∂Ball)という展開 -上記(6)の論理パス- の部分である。したがって明示的なQ上昇となる前に、Bpaidが縮小するとすれば、一時的な産業縮小が発生することになる。それは政治的には、上記(5)の論理パスの影響を受けやすいBクラス層によるAI導入に反対する声が大きくなることは容易に想像できるし、一方で、いかに「産業トップの質Q」上昇を迅速にもたらすかも、マネジメント上の鍵となるモデル構造である。最後、産業は質のレベルを上げたうえで産業の大きさを回復する。そうしなければ、質が変わらないまま、産業が縮小という悪いシナリオになる。

4.2.トップクリエータ層Aの振る舞い

Aa人材のうちの時間配分という、もう一つの変数があり、そこでもトレードオフがある。Aa人材にとっては、自らの時間(T)を、自らの作品品質上昇に充てること(Tac)によって、産業の頂を上げるか?((7)の論理パス)、あるいは後に続く者の育成にあてること(Tam)でBクラスからAクラスへの出世(Ab)を広げるか?((3)の設定) のジレンマがある。もちろん数式的には、その時間限界効果が等しくなるような時間配分が最適であることは容易に指摘できるが、個人創作の場合は、Aaクラスが自らのライバルとなるAbクラスの人材を増やすような貢献Tamを自発的に増やす動機と誘因は乏しい。集団創作ならば、完成作品をよくするという共通の目的のもとで、後輩育成に自分の時間を振り分ける誘因はある33

しかし今回の生成AIが、ハイエンドのクリエイティブを凌駕するものでないという2.2節での指摘を考えるならば、Q上昇の論理として考え得ることは、Abを増やすことで、Aクラス総数が増え、その競争のなかで、Qが上がる-(2)の設定-という論理パスである。感情の混じる中で、最適配分は容易ではないだろう。

4.3.産業規模条件の見直し

(1)式の条件付けを改変する。Cクラス・アマチュア・趣味層はこの産業分野にとって、将来のBクラス、Aクラスの卵である一方、重要な現在の顧客層でもある。つまり、産業規模Yを、

  

と、置き換えることが出来る。Hは、産業トップの質の高さに感化されて、この分野に興味を持つアマチュア・趣味層であると考えるならば、

  

とおくことができる。そうすると、一種のスパイラル構造が見いだせる。つまり

  

である。肝要なのは、産業トップの質の高さQがアマチュア・趣味層の人数Hの増加を誘うようなわかりやすさを提示することである。もし“わかりやすい”質の高さQを示すことができるAクラス人材が現れれば、それは上述の「スーパースター」ということになる。ここのロジックが弱ければ、このスパイラル効果は成立しない。

4.4.ダミーの数字を入れた簡単な例示

4.4.1.最初の状態

【仮定と前提】

  • ①スキルのレベルに応じ、クリエータには3層(プロ、セミプロ、アマチュア)の垂直的な分布があるとし、下方ほど人の数が多いとする。一旦、ここでは、5人,20人,75人(計100人)とダミーの数字を置く。
  • ②この産業で、有償で働くことができる人数規模を、まずは10 人分とする(ここでは所与の数字として与える)。
  • ③(単純化のため)有償での仕事において、Aクラス、Bクラス人材の賃金格差はないものとする。

【結果】

Aクラスの5人と、Bクラス20人のうちの5人(25%)が有償の仕事を得ることができる。

4.4.2.新しい道具の導入とクリエータの技能向上

【仮定と前提】

  • ④ 4.4.1.の状態に対して、(今回の生成系AIのような)新しいクリエイティブの道具が生まれ、トレーニングが不十分なクリエータにとっても、いともたやすく上位レベルの生成物を得られるとする。
  • ⑤ その結果、Cクラスには興味本位のアマチュアが新規参入する。またBクラスにはCクラスからの這い上がり、AクラスにはBクラスからの這い上がりが、一定割合で発生するとする。ここでは10%前後とする。
  • ⑥その結果、クリエータ分布は、7人、26人(≒20+(75*0.1))、82人(≒75*1.1)(計115人)となる。
  • ⑦この時点では、有償で働くことができる人数規模は、10人分のままとする。

【結果】

Aクラスの7人と、Bクラス26人のうちの3人(12%)が有償の仕事を得ることができる。つまりBクラス中間層のサバイバルがより厳しい状態に陥る。

4.4.3.市場規模の拡大

【仮定と前提】

  • ⑧ 4.4.2.の状態において、Cクラスの10%(75人→ 82人)の拡大は、Cクラス層はそのクリエイティブ分野の消費者にもなりうる存在なので、産業規模の拡大につながるとみなし、有償で働くことができる人数規模は、10人分から11~12人分(10~20%)増加が起きるとする。これはクリエータ・エコノミーの、鑑賞者は作り手になるし、作り手は消費者でもあるという側面を活かすものである。

【結果】

Aクラスの7人と、Bクラス26人のうちの4人(26人中の15%)または5人(26人中の19%)が有償の仕事を得ることができる。中間層のサバイバル状態は多少、緩和されるが、市場拡大の度合いとクリエータのスキル向上の度合いの相対性で、問題の深刻性が変わることが、容易に想像できる。

4.4.4.特Aクラスの発生

【仮定と前提】

  • ⑨ 4.4.3.の有償労働者11人相当(10%増加)の状態に対して、Aクラスの中から、とびぬけたスーパースター・クリエータが1名生まれるものとする。スーパースターは、媒体もそこに集中取材をすればよいので宣伝しやすく、結果、彼の登場による産業全体の宣伝効果(あるいは外部性)が大きく社会に広がり、Cクラスにはさらに+Α人の増加とそれに見合った産業規模の増加が起きるとする。その結果、産業は11+α人の有償労働者を賄う規模に広がるとする。

【結果】

特AとAクラスの7人と、Bクラス26人のうちの(4+α)人が有償の仕事を得ることができ、中間層の競争状態がより一段と緩和されることになる。

いわゆる業界リーダーに期待される様々な正の外部性(単に宣伝効果に限らず、ノブレス・オブリージュな振る舞いも含め)の有効性を示す/暗示するものと考える。

4.4.5.考察

  • (1)市場拡大の度合いとクリエータのスキル向上の度合いの相対性で、問題となる状況は変わる。
    • ・後者のほうの伸びが高い/速い場合、中間層において、競争の厳しい状態が作られる。現在の生成系AIにイメージされているようなスキル進化のジャンプがあると、競争激化のシナリオが強くなる。
    • ・前者のほうが高いと、産業として労働収容力が高まるものの、より低いクリエイティブ人材の有償仕事への参入によって、財の質の低下、またそれによる逆選抜/グレシャム法則の発動が懸念される。
  • (2)特に前者の問題、中間層の競争激化を緩和するために、
    • ・宣伝効果の高いスーパースターの登場や、Aクラスのクリエイティブが市場/産業規模拡大につながるような注目を浴びる活動であることが重要。
    • ・あるいは余暇時間上昇↑ ⇒アマチュア・趣味層の拡大↑ というロジックからも、市場規模拡大が期待できる。アマチュア・趣味層は、クリエータの卵である一方で、重要な現在のコア消費者群でもある。それは式の上で、

        

      のBpaid拡大につながるロジックである。

    • ・(クリエイティブ領域に限定せず)今回の生成系AIがあらゆる分野で浸透し、全産業分野での生産性向上に寄与するものであるならば、

        

      というロジックから、市場と産業規模の拡大が期待できる。

  • (3) ③の仮定条件を緩めてみる。モデルでは特A、A、Bクラスの賃金に差を設けない形で考察したが、一般には上位ほど高い賃金(率)になることが普通である。その格差を縮めることはBクラスの有償クリエータを増やすことにつながるが、やはり財の質Qの低下懸念がある。これも重要なマネジメント変数であり、「産業トップの質Q」上昇と「産業のすそ野Bpaid」の縮小のバランスを制御しうる変数である。

5.考察と評価

5.1.AIの二つの効能 ― 退屈な業務の効率化と新しい生成品質水準

2節や4節で考察したように、新しい道具には、

  • a)局所作業領域での効率化
  • b)ワークフローやビジネス・プロセスの変化、効率化(人間の貢献の仕方の変化)
  • c)新しい産業トップの質の高さ水準の創出。

といった効果があると考えたが、前者ほど短期的で即効的である。逆に後者になればなるほど効果が現れるには時間がかかり、産業全体の規模などに影響を及ぼす。

突き詰めていえば、AIの能力による、退屈な業務の代替効果a)と、産業トップの質の高さの上昇効果c)では、一般には、前者のほうが早く効果が表れやすいと考えられる。後者の効果をはやく具現化しないと、退屈な業務の代替効果だけが現れ、「人が機械に取って代わられる」という危機感と産業の縮小フェーズが長くなってしまう。そのためには、ハイエンドのトップクリエータほど、新しい道具の使いこなしに取り組み、生産性を上げて時間を生み出し、クリエイティブのために割く時間を増やすべきである。AIのような効率的な道具が普及する環境で、彼らが旧来型の仕事のやり方やワークフロー、段取りにこだわることは、望ましくない。

5.2.クリエータのキャリア・パスの設計

上記b)ワークフローやビジネス・プロセスの変化、効率化、との関連では、新しい道具を使いこなす人の能力開発が求められる。ここ数年の内閣府知的財産戦略本部よる『知的財産推進計画』34では、クリエータ主導のエコノミー、またUGC生成等から入る多くの国民のクリエイティブ活動への参加期待、彼ら等によるその中間財的な生成物の流通促進と対価還元制度の整備、等、がうたわれている。

こうした作り手としての経験を有するアマチュア・趣味層の彼らは、(厳しい批評をプロの作品に対して与えるかもしれないが)生成物のハイエンドの品質、前衛性をより理解できる立場であろうし、またそのジャンルの作品に対して価格弾力性の低い、重要な顧客、消費者にもなる層である。

最初は興味本位で無償貢献するアマチュア・趣味層の者が、AIの力を借りて、既存の有償労働者の機会を奪うことは十分に想定される。そうした新参者は、(無頓着に)適正報酬よりも名誉や知名度を求める場合も少なからずいるだろう。ゆえに既存の有償労働者も、AIの力を借りて、より生産性を上げたたうえで、無償貢献者よりも高い品質水準に行き、ハイクラス層を脅かすようなレベルにいかざるを得ない。もちろんハイエンドのトップクリエータ層はその層で、さらに質を高める競争をしていかなければならない。人間がクリエイティブのファイルナ・カットを担う立場であり続けるためには、新しい時代に即したクリエータ育成やそのキャリア・パスの整備・明示化が必要と考えられる。単純にクリエイティブを制作する能力のみならず、労働者として信頼できる委託先としての地位(キャリア)も高めていかなければならないし、その労働者がある程度の人生設計ができる見通しが持てる社会環境でなければならない。

人間の進化速度と技術の進化速度を考えたときに、技術のほうが早く、人間側の認識が遅れ、イノベーションのジレンマを起こすことは十分に考えられる。ゆえに新技術は重大なイノベーションをもたらしうるとの認識を持ち、単に目先の小さな業務改善用に留めたり、人為的に使用を制限するのではなく、BPRやワークフロー改善を含めた大きな視野での使い方の模索をすべきである。

5.3.AIに代替される人間労働力の吸収

AIによる人間の労働力の代替は短中期的なものと考えるが、目先は現実的で深刻な課題である。一般にはリスキリングなどの必要性が言われるが、本稿からは、

  • a)ハイエンドの品質の上昇による市場拡大
  • b)ワークフローやビジネス・プロセスの変化、効率化(人間の貢献の仕方の変化)

という面からの策を求めたい。a)は上述のとおり、アマチュア・趣味層からプロ層に至るまで、それぞれの立場でより一段と能力を高めていく(リスキリング)として、ハイエンドのプロ層には、これまで見たことのないクリエイティブを生み出し、多くの人の注目を集めて市場拡大につなげていく使命があると考えられる。前衛性の追求は、時に素人には難解な作品を生み出し、市場拡大には全く貢献しない。前衛性を追求する精神性を批判するものではないが、ただ彼が嫌儲である必要はない。前衛性と一般客の理解を両立させるには、優れたプロデュース能力が必要である。クリエイティブ側面のみならず、優れたプロデューサーとの協働によるプロデュース側面の両面からハイエンドを求めていかなければならない。

b)は結果的に必要とする労働力を増やす方向に作用するか、減らす方向に作用するか、一意には言えない。しかしa)の品質追求と相まって、ビジネス・プロセスの見直しのなかで、人間の活躍の余地を増やしうることは、理論的には考えられる。本稿ではインカメラVFXの事例で、ワークフローの変革を例示したが、拙者はより一層、検収、検品、考査の必要性が高まっていると感じている。インカメラVFXは一種の合成技術であるが、違和感のない合成、世界感の狭くない合成が出来ているかと言われれば、必ずしもそうではないと感じている。一方、振り返って考えてみれば、超長期での特殊効果、視覚効果、CG技術の発展の歴史は、技術上、予算上、「映像化不可能」と言われてきた書籍作品の映像化を可能としてきた歴史、つまりみたこのとのないクリエイティブがつくられてきたことは指摘できるだろう。

クリエイティブにとって、思考したり試行錯誤する「時間」は極めて稀少な投入資源である。AIによる効率化によって生み出される人間の時間を、いかにこうしたクリエイティブの本質に投入するかは、「模倣が得意」なAIを凌駕するためには必要と考える。

脚注

1 青山学院大学 総合文化政策学部 教授

2 AI研究者Steven Thalerが、Creativity Machineによって生成した絵画作品 ”A Recent Entrance to Paradise”に著作権を認めるよう求めた申請を、米国著作権局は却下。同局は、「AIが生成した画像には著作権によって保護されるのに必要な基準である『人間の著作権』の要素が含まれていない(lacks the human authorship)」とした(February 14, 2022)。 https://www.copyright.gov/rulings-filings/review-board/docs/a-recent-entrance-to-paradise.pdf

2022年9月、クリス・カシュタノバ(Kris Kashtanova)が、マンガ“Zarya of the Dawn”の著作権登録を申請、後にそれがMidjourneyでの制作が明らかとなり、当局が著作権登録を削除。作者側が訴えたところ、Midjourney作成部分については、著作権が取り消されたものの(the images in the Work that were generated by the Midjourney technology are not the product of human authorship)、テキストおよび本作品の文字・視覚的要素の選択、調整、配置(Work’s text as well as the selection, coordination, and arrangement of the Work’s written and visual elements)については、著作性が認められた(February 21, 2023)。https://www.copyright.gov/docs/zarya-of-the-dawn.pdf

3 わが国(の業界団体)では、2023年8月17日、一般社団法人日本雑誌協会、一般社団法人日本写真著作権協会、一般社団法人日本書籍出版協会、一般社団法人日本新聞協会、2023年8月23日 公益社団法人日本写真家協会、などが、既存の著作物の保護を訴えている。もちろん個社のレベルでは「日本の組織の72%が、業務用デバイス上でのChatGPTおよび生成AIアプリケーションの使用を禁止する方針」としている(cf. BlackBerry Japan(2023))。

4 岡田有花(2023),「Amazonのグラビア写真集が「AI生成だらけ」な件 Spotifyでも“AI汚染”が」, ITmedia, 2023年06月12日 10時37分

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/12/news080.html

5 ユニバーサルミュージックグループがAI生成楽曲に対して懸念を示したことを受け、SpotifyはAIが生成した「数万曲」を削除したとされる。またそこにはボッドによるアクセス数偽造も疑いもあった。Johnson,A.,(2023), “Spotify Removes ‘Tens Of Thousands’ Of AI-Generated Songs: Here’s Why,” Forbes, May 9, 2023, 02:20pm EDT, https://www.forbes.com/sites/ariannajohnson/2023/05/09/spotify-removes-tens-of-thousands-of-ai-generated-songs-heres-why/?sh=3c478e604f4a

6 一般社団法人ディープラーニング協会(2023)a、『生成AIの利用ガイドライン【簡易解説付】』 第1版(2023年5月公開)【2023年5月1日】制定 一般社団法人ディープラーニング協会、https://www.jdla.org/news/20230501001/

7 本稿での「品質」は、主に設計品質、前衛性を指し、製造品質を指す場合は、その旨記載する。

8 Samantha Bergeson (2023),”James Cameron Isn’t Worried About A.I. Overtaking Hollywood: It Won’t ‘Move an Audience’”, Indie Wire, July 19, 2023 3:00 pm, https://www.indiewire.com/news/general-news/james-cameron-ai-cant-write-good-scripts-1234885955/

9 最近では総務省「視聴覚障害者等向け放送の充実に関する研究会」、等。

10 拙稿(2022)、pp234-235

11 フジテレビ「字幕放送」 https://www.fujitv.co.jp/company/action/jimaku.html

NHK「Siriに負けない?音声認識・字幕放送(2)」(2012年03月15日) http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/800/112861.html

小森智康(2020)、「生放送番組における自動字幕制作の最新動向」、『NHK技研R&D 2020年 夏号』、No.182、 https://www.nhk.or.jp/strl/publica/rd/182/3.html

12 WAN-IFRA(2023), “Gauging Generative AI’s impact on newsrooms,” May 25, 2023. https://wan-ifra.org/mp-files/gauging-generative-ai-impact-on-newsrooms.pdf/

13 「あなたの創作を助けるAIロボ『コミコパ』」 https://lp.comic-copilot.ai/

14 NHKスペシャル、『終わらない人 宮崎駿』(2016年11月13日)番組中の発言。同様のAI生成物への発言(AI and Machines Is an ‘Insult to Life Itself’)を、Guillermo del Toro監督も述べている。“Guillermo del Toro Agrees With Miyazaki: Animation Created by AI and Machines Is an ‘Insult to Life Itself’”, Variety, Dec 16, 2022 2:33pm PT. https://variety.com/2022/film/news/guillermo-del-toro-slams-ai-animation-insult-life-1235463561/

15 https://www.adobe.com/jp/sensei/generative-ai/firefly.html

16 SHUTTERSTOCK PARTNERS WITH OPENAI AND LEADS THE WAY TO BRING AI-GENERATED CONTENT TO ALL, New York, N.Y., October 25, 2022, https://www.shutterstock.com/press/20435

17 ただし「Adobe Stockの許諾のあるコンテンツ」について、過去のコンテンツのどの程度が、Fireflyで用いることへの許諾がとれているかは不明であるが、今後は、それを織り込んだ制作者からの許諾取得が行われるであろうことは容易に想像できる。

18 Microsoft 365 Copilot https://adoption.microsoft.com/ja-jp/copilot/

19 Smith,B., & N Hossein (2023), “Microsoft announces new Copilot Copyright Commitment for customers,” Microsoft, Sep 7, 2023, https://blogs.microsoft.com/on-the-issues/2023/09/07/copilot-copyright-commitment-ai-legal-concerns/

ITmedia(2023), 「Microsoft、生成AI「Copilot」の企業顧客が著作権侵害で提訴されたら「責任を持つ」」ITmedia, 2023年09月08日 10時54分、https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/08/news101.html

20 アドビ(2023)、「アドビ、「Adobe Firefly エンタープライズ版」を発表」、2023年6月8日、https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202306/20230608_firely-and-express-to-enterprises.html

21 Google (2023), “Shared fate: Protecting customers with generative AI indemnification,” October 13, 2023, https://cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/protecting-customers-with-generative-ai-indemnification?hl=en

22 一般に2019年にDisney Plusでの配信が始まったドラマシリーズ The Mandalorian が最初に用いられた例とされる。

23 Epic games (2019)『バーチャル プロダクションフィールド ガイド』、第1巻、https://cdn2.unrealengine.com/Unreal+Engine%2Fvpfieldguide%2FVP-Field-Guide-JA-e6e0d1da315774237a702c3f0642ea3f994c5672.pdf

24 「画像生成AI「Midjourney」が品評会で1位を取った絵画の著作権保護をアメリカ著作権局が拒否、624回のプロンプト入力とPhotoshopによる修正をしていてもダメ」、Gigazine、2023年09月12日 12時35分、https://gigazine.net/news/20230912-theatre-dopera-spatial-copyrights-denied/

25 Copyright Review Board(US), (2023), “Second Request for Reconsideration for Refusal to Register Théâtre D’opéra Spatial (SR # 1-11743923581; Correspondence ID: 1-5T5320R), September 5, 2023, https://www.copyright.gov/rulings-filings/review-board/docs/Theatre-Dopera-Spatial.pdf

26 Stuart Russell, computer science, the University of California at Berkeley

27 Coldewey,D.(2023),"AI leaders warn Senate of twin risks: Moving too slow and moving too fast," techcrunch / 8:23 AM GMT+9•July 26, 2023

https://techcrunch.com/2023/07/25/ai-leaders-warn-senate-of-twin-risks-moving-too-slow-and-moving-too-fast/

28 Dario Amodei, the chief executive of AI start-up Anthropic

29 2017年に「Facebook AI Researchが行ったある実験~2つのAIで会話実験をしたところ、人間が理解できない言語で会話をしはじめ、実験が強制終了されたという内容」が報じられたが、それは、典型的な経済学のゲーム理論(交互手番ゲーム)のような最適解を求める内容のものであり、ターミネーター世界のようなものではないとみられる(「「2つのAIが“独自言語”で会話」の真相--FacebookのAI研究開発者が明かす」、CNET Japan, 2017年11月16日 07時00分, https://japan.cnet.com/article/35110443/

30 NHKスペシャル、『終わらない人 宮崎駿』(2016年11月13日)番組中の発言。同様のAI生成物への発言(AI and Machines Is an ‘Insult to Life Itself’)を、Guillermo del Toro監督も述べている。“Guillermo del Toro Agrees With Miyazaki: Animation Created by AI and Machines Is an ‘Insult to Life Itself’”, Variety, Dec 16, 2022 2:33pm PT. https://variety.com/2022/film/news/guillermo-del-toro-slams-ai-animation-insult-life-1235463561/

31 Rosen(1981)やAdler(1985)。

32 Caves(2000) pp7-8。また内山・湧口(2009)も参照されたい。

33 Caves(2000)のクリエイティブ財の7つの特性のうち、「創作家は創作に生きる」(art for art’s sake)特性と「多様な技能の寄せ集め」(motley crew)特性での指摘を合わせて考えれば、集団創作においては、その生産のアウトプットは投入要素について(加法的ではなく)乗法的であるがゆえに、クルーの誰かの技能が低いと、それがてき面に全体の品質を下げることになる。ここにAクラス人材がBクラスのクルー仲間の技能を引き上げようとするモチベーションは発生する。

34 2021年版のpp45-53、2022年版のpp57-66、2023年版のpp7-73

参考文献
  • Adler M.(1985), “Stardom and talent,”. American Economic Review ; 75(1): 208-212, 1985..
  • BlackBerry Japan(2023),「BlackBerry独自調査、日本の組織の72%が、業務用デバイス上でのChatGPTおよび生成AIアプリケーションの使用を禁止する方針であることが明らかに」、BlackBerry Japan 株式会社、2023年9月7日 11時00分、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000060255.html 
  • Caves,R.E.(2000), Creative Industries: Contracts Between Art and Commerce, Harvard Univ. Press, 2000.
  • DCAJ (2023), 『デジタルコンテンツ白書2023』、デジタルコンテンツ協会、2023年9月1日。
  • Rosen,S.(1981),"The Economics of Superstars", American Economic Review, 71 (5): 845–858, 1981.
  • 内山・湧口(2009)、「欧州政府と映画振興策」、in 菅谷・中村・内山編(2009)、『映像コンテンツ産業とフィルム政策』、第4章、丸善、2009年1月30日、pp87-110。
  • ディープラーニング協会(2023)a、『生成AIの利用ガイドライン【簡易解説付】』 第1版(2023年5月公開)【2023年5月1日】制定 一般社団法人ディープラーニング協会。
  • ディープラーニング協会(2023)b、『生成AIの利用ガイドライン【簡易解説付】』 第1.1版(2023年10月公開)【2023年10月6日】制定 一般社団法人ディープラーニング協会。
Appendix

『生成AIの利用ガイドライン【簡易解説付】』 第1版(2023年5月公開)【2023年5月1日】制定 一般社団法人ディープラーニング協会

【解説】

① 画像生成AIの場合

画像生成AIの場合であれば、自分の意図通りに高画質の画像を生成するために、①詳細かつ長いプロンプトを入力して画像を生成した場合、②プロンプト自体の長さや構成要素を複数回試行錯誤する場合、③同じプロンプトを何度も入力して複数の画像を生成し、その中から好みの画像をピックアップする場合、④自動生成された画像に人間がさらに加筆・修正をした場合などは「創作的寄与」があるとして、それらの行為を行った人間を著作者として著作権が発生することになるでしょう。

① 画像生成AIの場合

ChatGPTのような文章生成AIには様々な用途がありますが、文章生成AIのユーザが何らかの指示をして、何らかのリサーチ結果、アイデアや回答を得た場合、出力テキストにはユーザの創作意図と創作的寄与は通常はありませんので、文章生成AIによる出力テキストには著作権は発生しないということになるでしょう。

文章生成AIから、よりよい出力を引き出すために、質問(入力)の仕方のヒントやプロンプト文例がたくさん公開されていますが、ユーザが質問をするにあたってそれらの文例を駆使したとしても、出力テキストに対するユーザの創作意図と創作的寄与が認められることはないように思います。

したがって、ユーザが文章生成AI に指示をして、何らかのリサーチ結果、アイデアや回答を得た場合、それらの出力には著作権が発生しない、ということになりそうです。」

『生成AIの利用ガイドライン【簡易解説付】』 第1.1版(2023年10月公開)【2023年10月6日】制定

① 画像生成AIの場合

画像生成AIの場合であれば、自動生成された画像に人間がさらに加筆・修正をした場合などは「創作的寄与」があるとして、それらの行為を行った人間を著作者として著作権が発生することになるでしょう。

一方、①詳細かつ長いプロンプトを入力して画像を生成した場合、②プロンプト自体の長さや構成要素を複数回試行錯誤する場合、③同じプロンプトを何度も入力して複数の画像を生成し、その中から好みの画像をピックアップする場合などに「創作的寄与」があるとして著作権が発生するかについては議論が分かれるところです。

 
© 2023 総務省情報通信政策研究所
feedback
Top