情報デザイン研究
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対戦結果に基づいた格闘ゲームにおけるキャラクターの総合力
足立 智子野澤 友希
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2025 年 1 巻 2 号 p. 5-18

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抄録
本研究で扱うeスポーツは、CAPCOM 発売の格闘ゲーム「ストリートファイターシリーズ」を使用した公式チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ」である。ストリートファイターVの公式サイトでは、全45種類の各キャラクターの特徴を五項目五段階で評価している。この五項目から一つの指標にしたものを、本研究は「総合力」と呼ぶ。複数の変量のデータを一つの合成変量で表すには、加重総和や主成分分析がある。ゲームプレーヤーである選手は、実際にキャラクターを使用して、自らにあったキャラクターを選択する。このため、多くの選手に使用される人気キャラクターが存在する一方で、選手に一度も使用されないキャラクターも存在する。実際、2022年大会リーグ本節で使用されたキャラクターは、全45種類中26種類であった。本研究では、2022年大会リーグ本節のすべての試合における対戦結果のデータに基づき、二つの手法でキャラクターの総合力を提案する。一つ目は主成分分析による手法、二つ目は得失バトル比による手法である。キャラクターの特徴五項目の評価値に対戦データから得られるバトル出場率を乗じた数値で主成分分析をおこなうと、寄与率9割以上という高い値で、総合力を表すことができた。本結果は、AIのリコメンド機能など、選手のキャラクター選択に新しい視点をもたらすだろう。
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© 2025 日本情報デザイン学会
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