ランドスケープ研究
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コアジサシの営巣環境条件と集団繁殖地の保全策
東 陽一
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1997 年 61 巻 5 号 p. 541-544

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抄録

コアジサシは海岸や河川の中州で集団繁殖地を形成する。近年, 営巣可能な環境の減少により絶滅のおそれがあると言われている。本研究では, コアジサシの営巣環境条件を明らかにして, 集団繁殖地の保全策を検討することを目的として南関東地方で調査を行なった。その結果, コアジサシは植被率が極めて低い裸地で集団繁殖地を形成すること, 営巣場所の土質は, 砂の割合が高く, 礫・角礫の割合が低いこと, がわかった。また, 巣の近くには石などの目印になる構造物が存在することが多かった。コアジサシの繁殖を目的とした保護区を設置する場合には, 上記の点に留意して繁殖に適した環境を維持・管理することが望ましい。

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