腸内細菌学雑誌
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腸内フローラの分子生物学的解析法の応用と課題
渡辺 幸一
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2007 年 21 巻 3 号 p. 199-208

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抄録
ヒト腸内には多種多様の腸内細菌が生息し,栄養,免疫賦活あるいは病原性菌の腸管内での定着・増殖抑制など様々な面で深い影響を及ぼしている.そのため,腸内フローラの機能とヒトの健康の関係を解明するためにはその構造を正確に解析する方法の開発は重要な課題である.細菌の16S rRNA遺伝子の塩基配列が微生物の系統分類のみならず,迅速・かつ正確な分類同定に有効であることが証明されて以来,分子生物学的手法は急速に発展した.これに伴い,腸内フローラの解析法は,FISH法,DGGE法あるいはTGGE法,クローンライブラリー法,定量的PCR法,T-RFLP法が開発され,大きく変貌した.ここでは,代表的な分子生物学的手法を簡単に説明するとともにその応用と課題について解説する.
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© 2007 (公財)日本ビフィズス菌センター
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