抄録
【背景】四つ這いは小児の代表的な移動手段であり,胸郭や呼吸筋の発達にも関与する.しかし,四つ這いと呼吸機能の関連を検討した報告はなく,簡易的に四つ這い時間を測定できる方法は開発されていない.そのため,四つ這いと呼吸機能の関連を検討するために,簡易的な四つ這い時間測定方法の開発が求められている.
【目的】3軸加速度計による四つ這い時間測定方法を開発し,その妥当性を検討する.
【対象と方法】健常学生5名を対象に3軸加速度計による四つ這い時間測定方法を検討した(実験1).健常学生11名を対象に測定方法の妥当性をBland-Altman分析にて検討した(実験2).
【結果】測定方法は体幹部端末傾斜角度が>45°で立位,歩行,≦45°で四つ這い位・移動となった(実験1).立位,歩行,四つ這い位・移動でわずかな加算誤差を認めた(実験2).
【結語】3軸加速度計による四つ這い時間測定が可能である.四つ這いと呼吸機能の関連の検討が期待される.