ビフィズス
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Print ISSN : 0914-2509
BALB/cマウスにおける腸内菌叢の雄性生殖機能に及ぼす影響
藤原 雅子熊井 真樹大和田 勉尾崎 明水谷 武夫田谷 一善笹本 修司光岡 知足
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1990 年 4 巻 1 号 p. 13-20

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抄録
本研究は, 通常化 (CVZ) および無菌 (GF) BALB/c雄マウスの生殖機能について比較するとともに, 腸内菌叢と生殖機能との関連を明らかにする目的で盲腸摘出およびセルロース添加飼料により低栄養にした場合の生殖機能についても検討したものである.CVZに比べてGFでは精のう腺, 精巣上体, 精管, 腎臓および副腎重量が著しく低かったが, それらの臓器のうち精のう腺を除く臓器の重量が盲腸摘出によって有意に増加した.セルロース添加飼料を与えた通常 (CV) およびGFマウスは, 両者とも精のう腺重量が対照飼料を与えたものに比べて低い値を示した.しかし, その添加飼料を与えたCVマウスは盲腸摘出しても精のう腺, 精巣上体, 精管, 精巣, 腎臓および副腎の各臓器重量に差を認めなかった.精のう腺のフラクトース, クエン酸含有量はCVZとGFの間で差はなく, 血中テストステロン濃度は個体差が著しく大きく, 比較できなかった.
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© 財団法人 日本ビフィズス菌センター
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