抄録
プロバイオティクスには従来より安全と考えられている菌種が使用されてきた.それらは主にヒトや動物の腸管に生息する菌で, 乳酸菌やBifidobacteriumである.しかし近年プロバイオティクスに属する菌種が頻繁に感染源から分離されるようになり, その安全性に対する議論が高まっている.本報告においては, 感染源からの分離の実態を紹介すると同時に, プロバイオティクスの安全性を判断する要件として感染性, 有毒性, 菌の固有性質等をあげ, 個々に対するレビューを行う.また安全性を判断する手法として, 無菌マウスに対するB.longurn BB536の単独定着と, それにより起こるBacterial Translocationさらに免疫応答を紹介する.