日本経営工学会論文誌
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重み付き最小二乗法を用いたAHPのウエイト推定法に関する研究
村山 直人後藤 正幸俵 信彦
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2002 年 53 巻 5 号 p. 368-377

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抄録

階層分析法(AHP : Analytic Hierarchy Process)はSaatyにより提唱された, 不確実な状況や多様な評価基準に基づく意思決定モデルである.AHPでは意思決定者が評価基準間や代替案間でそれぞれ一対比較を行い一対比較行列を作成する.その際, 問題によっては, 一対比較行列の中に意思決定者が自信のある値と自信のない値が生じることが考えられる.しかし, 従来の評価基準や代替案の評価値(ウエイト)の算出法では, このような意思決定者の確信の度合い(確信度)を解析に取り入れることができなかった.本論文では, 一対比較に対してその値の確信度が与えられる場合に, その情報も用いて評価値(ウエイト)を計算可能である方法を提案する.これは, 対数線形モデルにおける重み付き対数最小二乗法による方法であり, 統計理論的に整合性のある方法となっている.

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© 2002 公益社団法人 日本経営工学会
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