抄録
本論文は,ビジネスシステムの設計や改変に関わる能力を改善するために,Business system transformation model(BSTM)を用いて,事業計画に関する意思決定過程で行われる議論を促進するための方法を提案する.この方法は,関係者間の議論に関する情報を蓄積し,それらの情報を議論の改善や事業計画の修正に利用することによって,適切な事業の設計や改変に貢献するものである.本方法をある東証一部上場企業における製品企画活動に適用して,アンケートとヒアリング調査によって利用効果を明らかにすると共に,利用効果の順位付けデータを分析した結果,提案した方法が有益であることが認められた.最後に,会議の議論を記録するための工数に関する諸問題と可能な解決策について議論する.