日本経営工学会論文誌
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原著論文(理論・技術)
プライバシー保護機能を持つ線形回帰モデルにおける最小二乗推定量の分散計算法について
須子 統太堀井 俊佑小林 学後藤 正幸松嶋 敏泰平澤 茂一
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2014 年 65 巻 2 号 p. 78-88

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抄録

本稿ではプライバシー保護を目的とした回帰分析について扱う.これは複数のユーザがそれぞれ異なるデータを保持したもとで,それぞれの保持するデータを互いに公開,共有することなく,協力して全てのデータを用いた場合と同等の回帰分析を行うというものである.本稿ではまず,ユーザが2人の場合を想定し,2者が異なる属性に関するデータを保持しているもとで最小二乗推定量を分散計算する場合を考える.そのもとで,新たな分散計算プロトコルを提案し,プライバシーについてプロトコルの安全性を評価する.また,提案するプロトコルは繰り返し計算を行うため,数値実験によりプロトコルの繰り返し数についての評価を行う.さらに,収束回数を削減する修正プロトコルを提案し,多者間での分散計算への拡張も行う.

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© 2014 公益社団法人 日本経営工学会
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