2014 年 65 巻 3 号 p. 157-167
ビブリオバトルにおける発表制限時間は5分と定められている.その発表制限時間は長すぎず短すぎないものとして経験的に定められたものであり,その妥当性が実証的に確かめられたことはない.本稿では異なる発表制限時間がビブリオバトルでの書評者の発話にどのような影響を与えるかについて検証する.また,参加者への感性アンケート調査を行うことで,発表制限時間の変化がもたらす感性的な影響を調査する.本実験の結果,3, 5, 7分の発表制限時間の違いにはほとんど全ての項目で有意な差は生まれなかったが,1, 10分という時間では発表制限時間の長さの感じ方や,視聴者が書評者の意図を理解できるかといった項目で有意な差が観察された.