抄録
効率的な在庫管理は顧客満足度向上やコスト削減に繋がるため,多くの企業は在庫管理に大きな力を入れている.近年,出荷作業の複雑化に対応するべく,在庫の保管場所をフォワードエリアとリザーヴエリアに分ける物流センターが多い.本研究では,対象事例の物流センターのフォワードエリアの在庫の不足・過剰という問題の改善を目的とし,商品の発注点と補充点を求めるモデルの提案,及び,発注点と補充点の適正な見直し間隔に関する研究を行った.発注点と補充点は,在庫スペースと緊急補充頻度のトレードオフの関係を把握し,決定すべきである.対象の物流センターでは,発注点と補充点を4ヶ月ごとに発注点と補充点を見直すのが適正であった.