2021 年 71 巻 4 号 p. 185-198
近年,旺盛な航空需要により,航空交通量が増大している.一方,航空ネットワークの混雑空港では,空港と航空路の容量の不足により,航空機群の効率的な処理と円滑な運航が制約を受け,この制約により遅延が増加し,共に社会的な損失である.しかし,先行研究の局所的な取り組みは必ずしも実務で功を奏していない.このため,航空ネットワークの全体的なパフォーマンスの改善が社会的な課題である.
本研究では,一連の発着・走行・駐機が反復する航空機群の挙動量(遅延)の指標に着目し,挙動量の調整による処理量(スループット)の改善を目的とした.まず,局所的な地上走行を例に全体的な遅延と比較し,次に,遅延の調整そのものが運用面のスループットの改善に有効なことを確認した.更に,新たに発着の折返し(ターンアラウンド)を含むスループットや遅延のそれぞれの発着の均衡も確認した.