抄録
時間の経過とともに機能が劣化する生産工程につき, その能力を保持するための工程調整を製品の抜取検査に基づいて行なう計画について論じられている.とくに複数のロット生産工程が並列に配置されている場合に対し, 各生産工程のマルコフ・モデルを想定し, 計数基準型1回抜取検査に基づく調整計画について解析を試みたものである.すなわち, 各工程を独立させてサンプルの結果に基づき調整を行なう方式(A)と, 全工程の製品をひとまとめにして抜取検査を行ない, その結果に基づき全工程の一斉調整を行なう方式(B)との2方式についての解析ならにび比較検討を試みた.本論文における工程の調整計画は, 抜取検査本来の目的である製品の品質保証を行なうことのほか, 工程の能力を管理しうるという利点を合わせもつ.