日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
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総合達成目標に対する個別達成目標の合理的設定について : 企業における部門目標の設定に関する研究(第3報)
木暮 正夫秋庭 雅夫
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1978 年 29 巻 3 号 p. 236-242

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抄録
企業の経営活動において, 一つの部門の総合達成目標をその部門のマネージャが設定するには, 一般に部門内にいくつかのプロジェクトを選定し, それらの個別成果を見積もり, そこから部門の総合成果を算出することが必要となる.そのさい, これら個別成果を確定的に見積もることがむずかしい場合が多い.そこでマネージャはそれぞれ個別成果の分布を推定し, そこから総合成果の分布を求めるとともに, マネージャが許容できる目標達成の失敗確率に基づいて部門の総合達成目標を設定することになる.また, これらプロジェクトの実施に当たっては, マネージャは各プロジェクトに許容する失敗確率を決め, 推定した個別成果の分布からそれぞれの個別達成目標を設定し実施担当者に指示する.そのさい実施担当者は個別成果を指示された目標に近づけ, かつ目標を下回らないように努力することが考えられ, 推定された個別成果の分布は目標指示という刺激によって変化することを想定しなかればならない.本報告は, 以上のような目標設定過程における基本概念と, それに基づく目標設定方法について提案する.
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© 1978 公益社団法人 日本経営工学会
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