製品の特性のなかで, 品種と品質の差異を明白にし, 品質を, 「製品が出荷後社会に与える損失」と定義し, さらに, 品質を機能の不十分性に伴う損失と弊害項目による損失に分類した.機能不十分が生ずる理由として, 環境条件という外乱と, 品物の劣化と品物間のばらつきという2種の内乱を論じ, 全部の内外乱に対するオフラインQCとして, 研究設計部門における設計の3段階, システム設計, パラメータ設計, 許容差設計の重要性を示した.なかでもこれからの品質管理の中心として, パラメータ設計, すなわちパラメータの目的特性への効果の非線形性の利用によるQCと実験計画法の役割を示した.また, 生産技術部門によるオフラインQCとその役割, 生産部門が行なうべき生産しながらのオンラインQCとして, 工程調節, 品質制御, 検査の役割を論じ, 生産部門における品質管理手法の経済的基礎と応用上の展望を行なった.
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