抄録
極値分布の一つである二重指数分布は, 寿命試験測定値の解析に広く用いられている.さらに, 二重指数分布に対する簡便な検定および推定法として, 二重指数確率紙は有効であるとされてきた.しかし, それらはすべて完全試料についてのものであり, 時間の関係で試験を打ち切らざるをえないことが少なくない寿命試験においては, 必ずしも十分なものとはいいがたい.この観点から本稿では, 打切り試料に対しても有効なプロット位置の決め方を提案する.また大試料が得られる場合については, 新たに最適スペーシング法に基づくプロット位置, およびそれに用いるサンプル分位点の選択方法を提唱する.本手順に従えば, 実際に測定結果を確率紙へプロットするさい, やっかいな計算がいっさい不要で, 日常業務としての寿命試験において実用的な方法と思われる.なお具体例として, 電力ケーブル破壊試験の測定値を用い, 本稿で提案された方式の有効性を実証する.