抄録
あいまいな状況下の意思決定問題をファジィ数理計画により解くことは, 確定的な係数の値や様々なメンバーシップ関数型を定めなければならないため, 意思決定者にとって必ずしも容易ではない.このため, 最近, 係数のあいまいさを区間によって表した線形計画が提案されている.他方, 混合整数計画問題を並列的な分岐限定法によって解く手法が最近報告され, 大規模な問題における計算時間の短縮がトランスピュータによる数値実験によって確認された.このような計算時間の短縮は, 一般に, 非常に有用である.本稿では, 区間係数を伴う混合整数計画問題を短時間で解くための並列分散的な計算法を提案する.さらに, 提案する並列分散処理を汎用的なUNIXネットワーク環境において実現するためのCプログラムを開発し, 数値実験において逐次処理との比較を行い, その有効性を明らかにする.