2024 年 23 巻 1 号 p. 10-22
本研究では,超高齢社会を背景に,市区町村による高齢者に関する健康・医療情報の提供状況を踏まえ,財政や高齢化が高齢者に関する健康・医療情報の提供に与える影響を明らかにすることを目的とした.関東地方の全316市区町村による高齢者に関する健康・医療情報の提供状況を調査し,財政指数および高齢化率と併せて分析を行った. 市区町村が提供する高齢者に関する健康・医療情報を,認知症および介護,高齢者福祉サービスという主題別に集計したところ,認知症に関する情報が最も多いことがわかった.また,市区町村の財政力が高いほど,高齢化率が高いほど,高齢者に関する健康・医療情報が増えることが明らかになった.一方で,財政力指数が高い市区町村の中でも,高齢者福祉サービスを一覧する情報の提供にとどまる市区町村から,複数の主題を取り扱い,積極的に提供する市区町村まで存在し,情報提供の様態が多様であることがわかった.