図書館におけるレファレンスサービスは,情報探索の専門的知識を有する図書館員によって行われているものの,解決できない事例(未解決事例)が存在している.その要因としては,単なる質問内容の難易度だけでなく,蔵書構築や質問応答プロセスなどさまざまな面での困難さがあると考えられる.そうした未解決事例の実態を明らかにするために,国立国会図書館の運営するレファレンス協同データベースにおいて一般公開されているレファレンス事例 124,588 件のうち未解決事例 6,984 件を対象としてその実態と要因に関する分析を行った.その結果,未解決事例は,正確な情報源を見つけるための詳細な探索を必要とする質問や,複数の主題を含むような質問において多くなることが明らかになった.