2026 年 24 巻 1 号 p. 28-46
障害者への情報提供の対応が進められる中,視覚的な情報で構成されているマンガは視覚障害者等への情報提供が困難となっている.主な原因は視覚を用いずマンガを表現する方法が定まっておらず,製作が難しいためである.本研究は,晴眼者がマンガを読む際に注視している箇所やマンガ制作の際に意識している点を踏まえた翻訳方法で制作した音声コンテンツがどのように受容されるかを調べるため,視覚障害者4名へヒアリングした.ヒアリングした内容を SCAT を用いて分析したところ,ストーリーを楽しみつつ,マンガらしさを求めているとわかった.本音声コンテンツはストーリーの理解はできるがマンガらしさを十分に感じられなかったため,今後は視覚障害者が求めるマンガらしさと晴眼者が感じるマンガらしさを追究し翻訳する必要がある.しかし,晴眼者の世界とつながりたいという視覚障害者の希望から見ると,本研究で用いた翻訳方法は適切な方針であるといえる.