地域生活学研究
Online ISSN : 2432-1133
Print ISSN : 2186-9022
ISSN-L : 2186-9022
農村地理学の視点から太陽光発電施設の建設問題を考える
林 琢也
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2016 年 07 巻 p. 60-71

詳細
抄録

本稿は、本誌第6号の特集『再生可能エネルギーの施設立地がもたらす景観紛争―北杜市の持続的発展に向けた対話の試み―』掲載の論考を手がかりに、農村地理学の視点から、太陽光発電施設の建設について主に住民と事業者の関係性や共生のあり方、入会林野や財産区の開発、耕作放棄地の拡大・不在地主の問題、農村景観に焦点をあてて、農村における太陽光発電施設の建設に伴う問題の解消・緩和のための方向性について考察を行った。北杜市で起きた問題の背景には、これまでの農村地理学や隣接分野における研究成果と関わりの深い内容も多い。課題解決の方向性を提示し、実行していくためには、過去の研究や議論に学ぶ姿勢と現在進行で起きている課題に対して地域や住民に寄り添った調査や協働活動の中から研究成果を積み上げ、発信していくことが肝要となる。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top