抄録
本論は、景観紛争を論じる上で不可欠かつほぼ同時並行的に成立した「NIMBY」、「受益圏・受苦圏」、「スケールの政治」の3つの類同的な概念装置を援用して、急増する太陽光パネルをめぐって当事者間に景観紛争が勃発している山梨県北杜市の紛争当事者の言説を分析し、「景観紛争の科学」の成立に向けた試論を展開しようとするものである。分析の結果、各々の論旨や論理構成から、景観紛争を生じさせたメカニズムや紛争当事者の言説の齟齬が明らかになり、その有効性が確かめられた。同時に、「太陽光バブル」の退縮により、今後全国的な不採算化とそれに伴う運営放棄が進む可能性を示し、早期に有効な対策をとることの重要性を提起した。