日本食生活学会誌
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論文
PETボトル入り清涼飲料水の直接飲用でボトル内に混入した口腔内常在菌の微好気培養による消長および好気培養における個人間の検討
小林 麻里子奥脇 義行川井 英雄
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2006 年 17 巻 3 号 p. 204-210

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抄録
  口腔内には微好気性菌が存在するため, ペットボトル入り清涼飲料水から直接飲用し微好気培養を試みた。また, 口腔内常在菌叢は多種多様の細菌から構成されているため, 個人の間での違い (好気培養) も検討した。
(1) 好気培養と比較して微好気培養では8時間後においても多くの生菌を認め, 好気培養時には速やかに死滅したグラム陰性双球菌 (Neisseria属) が8時間後においても検出された。
(2) Neisseria属は炭酸ガス培養で発育が良好となるため, 微好気培養下で長時間にわたって生残が可能であった。
(3) Bacillus属は好気性菌であるが芽胞を形成して強い抵抗力を示すため, 微好気の環境でも生残した。
(4) 被検者 (単独), 本学学生, 教職員の間での菌相には大差は認められず, 口腔内常在菌叢に大きな個人差はないことが示唆された。
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© 2006 日本食生活学会
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