日本食生活学会誌
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論文
超音波照射が小豆渋汁の栄養成分, 抗酸化活性, 色調及び嗜好に及ぼす影響
木村 友子加賀谷 みえ子佐々木 弘子内藤 通孝後藤 真彦菅原 龍幸
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2007 年 18 巻 3 号 p. 244-249

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抄録
  小豆の製餡加工時に生じる廃液の渋汁を食品素材として利用拡大に資する目的で, 超音波照射により精製した渋汁素材の一般成分, 無機成分, 遊離アミノ酸, 抗酸化性, 色調及び嗜好性について比較検討した。
  (1) 照射した素材B区は非照射の素材Aに比べ, 一般成分, 無機成分, 遊離アミノ酸含量について有意な差はなかった。
  (2) 総ポリフェノール含量とラジカル捕捉活性では, 素材B区は, 素材Aに比べ有意な差はなかったが, 渋汁は何れも共に高い抗酸化効果を示した。
  (3) 渋汁の色調では, 素材B区は素材Aに比べL, a, b 値の有意に大きくなり, 小豆色の特性を示し, 素材Aを基準としたΔE は1.9~7.2NBSの範囲に変化した。
  (4) 渋汁の好適な精製条件は40°Cで照射10分間処理が有効であった。この素材B-1は素材Aに比べ小豆色が濃く, 臭気が減少し, 食味特性も向上し, 有用な食品素材として利用することが可能である。
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© 2007 日本食生活学会
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