日本食生活学会誌
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千葉県における消費者の醤油購入に関する意識と色の嗜好性に関する調査
宮城 淳
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2012 年 22 巻 4 号 p. 320-324

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抄録

  醤油造りは, 古来より一麹 (きく : 麹造り), 二櫂 (かい : 諸味のかく拌), 三火入れ (香りづけ, 色づけおよび殺菌) の三工程が重要であるといわれている。製品化においても醤油の色は, 品質上, もっとも大切な要素の一つである。今回, 千葉県の消費者176名を対象とした醤油の購入に関する意識と醤油の色の嗜好性について調査を行った。醤油購入の際の選択動機は, 「価格」と同様に, 「銘柄」や「品質」を重視する傾向があった。色の嗜好性は, 用途によって異なり, 「つけ醤油」や「麺つゆ (つけ汁) 」用は色の濃い方が, 「ポン酢醤油」や「煮物」用, 「麺つゆ (かけ汁) 」用は色の淡い方が好まれた。「ポン酢醤油」や「煮物」用については, 性別による色の嗜好性の差異も認められ, 女性の方が淡い色を好む傾向があった。年齢層別による色の嗜好性の差異は, 全体的には認められなかった。本調査結果は, 今後の消費者ニーズに応じた商品開発や販売戦略の基礎資料として期待される。

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© 2012 日本食生活学会
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