日本食生活学会誌
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九州地区離島における椿油の食用油としての利用状況と嗜好性
時枝 久子滝澤 和子池田 稜子
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1999 年 10 巻 2 号 p. 30-36

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抄録
九州地区離島における椿油の食文化的な価値を見出し, さらにその利用拡大を目的とする調査を行った結果, 次のような知見を得た.
1. 椿油の価値には歴史的背景があり, 江戸時代にはすでにかなり多くの利用があった.
2. 島民の椿油に対する愛着は強く, 今後多方面への利用発展を期待している.
3. 日常よく使用されるサラダ油やなたね油と比較して, 椿油は酸化されにくく保存性が高い.
4. 椿油は加熱料理への利用においてはかなり高い嗜好性を示した. また, 非加熱料理でも工夫次第で嗜好性を増すことが可能であり, 今後の利用拡大が充分期待できる.
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