日本食生活学会誌
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短大生の健康認識と排便状況の地域別10年間の比較
平井 和子樋口 寿古崎 和代佐藤 玲子武副 礼子岡本 佳子田原 モト子浅野 眞智子前田 昭子薗田 雅子
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2002 年 12 巻 4 号 p. 335-341

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抄録

札幌, 仙台, 大阪の女子短期大学生を対象に, 1987年 (各々279名, 247名, 209名) と1997年 (各々146名, 183名, 1214名) に健康認識と排便状況についてアンケート調査を行い, 10年間の変化を比較検討した.
1) 健康に適した食生活を “していない” と答えた割合が1987年から1997年へ19%から24%へ増加し, 特に仙台では18%から26%へと増加が顕著であった (10年間差, 全体と仙台各々p<0.05).
2) 望ましい1日の食品摂取量を “知っている” と “大体知っている” と答えた合計が62%(1987年) から54%(1997年) へと減少した. 仙台では68%から86%へと増加し, 札幌では48%から41%へ, 大阪では71%から51%へ減少がみられ, 10年間の変化に地域特異性がみられた (10年間差, 全体, 仙台, 大阪各々p<0.001, 札幌p<0.01).
3) “便秘と健康に関連性がある” と答えた割合は91%(1987年) から94%(1997年) へと増加し, 特に大阪では87%から94%へと10年間に便秘への認識に変化がみられた.(10年間差, 全体p<0.05, 大阪p<0.001).
4) 排便が週に3回以下の “便秘傾向” は21%(1987年) から23%(1997年) へ増加し, “毎日排便” は27%から22%へと減少した. 特に排便が “不規則” が仙台で18%から22%へ, 大阪で12%から18%へと10年間で増加がみられた.(10年間差, 全体, 仙台, 大阪各々p<0.05).
5) 排便時間帯を比べると1987年と比較して1997年で “起床から朝食直後” の排便が46%から39%へ減少し, “不規則” が35%から56%へ増加し, 特に札幌で変化が顕著であった (10年間差, 全体p<0.001, 札幌p<0.01, 仙台と大阪各々p<0.05).

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