日本食生活学会誌
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クックチルシステムにおける加熱調理牛肉中の多価不飽和脂肪酸の変化
とくにシス-9, トランス-11オクタデカジエン酸について
長田 早苗殿塚 婦美子荒木 英爾
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2004 年 15 巻 1 号 p. 22-28

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抄録
調理の代表的加熱方法である「焼く・蒸す」について, 加熱温度, 加熱時間の異なる条件を設定し, 牛肉中の共役ジエン構造を持つ不飽和脂肪酸c-9, t-11CLA含有量に対するそれらの効果を研究した。また, クックチルシステムにおける牛肉中のc-9, t-11CLAと, その他主要な脂肪酸の変化についても分析し, 以下に示す成績を得た。
(1)「蒸し加熱」と「焼き加熱 (中心温度75℃ 到達後1分間加熱)」を行なったときのCLA含有量を「未加熱」と比較した結果, 「焼き加熱」に有意な増加が認められ (p<0.05), 「未加熱」に対する増加率は28.0%であった。
(2) 焼き加熱では, c-9, t-11CLA含有量は温度が高いものほど多くなる傾向が認められたが, 過度の加熱では適切な評価が出来なかった。
(3) クックチルシステムにおける牛肉のC-9, t-11CLA含有量について, チルド保存3日間, チルド保存5日間, 5日後再加熱に変化は認められなかった。
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