2016 年 28 巻 1 号 p. 57-68
人類学者ディーン・マキァーネルは、観光を社会構造の近代化と結びつけて考えられることを指摘したことで、観光社会学の発展に貢献した。しかし、その後の社会学的観光研究においては、観光を社会学的に検討する必要性が論じられてこなかった。そこで、本論文ではマキァーネルによる議論をふまえ、社会学の観点から観光を分析する意義について再考する。その結果として、マキァーネルの観光客の理論が、グローバル化とローカル化が同時進行する今日の社会を分析する上で有効であることを示した。